20.憧れと切望 ページ16
「…ん…ん?」
『あ、起きた?』
「…うわぁ!!?、な、なんだよ、お前!なんで驚かないんだよ!?」
『生憎、君達みたいなのには縁が合ってね…さて、時間も惜しい。目覚めたばかりで悪いけれど質問させてくれないかい?』
至って普通の少年に見える彼に
雫は真っ直ぐ問いかける
「………」
『さて、まず初めに君は七不思議の1つ"顔がある顔なし少年"で間違いないかな?』
「ーっ!…は?俺顔あるじゃん」
とぼけようとするが、赤也が怒りながら掴みかかる
赤「とぼけるんじゃねぇ!さっき雫先輩が首周り確認したんだからな!」
「えっ!?プライバシーは!」
幸「人の心臓取ってる幽霊にプライバシー説かれたくはないな」
「っ………」
『間違ってないようだね…じゃあ、次だ。君の首は、もしかして体育館の彼のものじゃないのかな?』
生「なっー…」
息を呑むメンバー
少年は諦めたようにため息をこぼす
「あんた、何もんだよ…」
『何となく予想は着いたよ。君が心臓を泥棒した理由は分からないけれど』
「…」
雫をじっと見据えると
少年は不意に懐に目線をずらす
「…この心臓を持ってたら、痛みが和らぐんだよ…なんでかわかんねぇけどな」
『痛み…?』
真「どこか痛めておるのか?」
柳「幽霊は痛覚があるのか?」
疑問を投げかける2人
雫は黙って続きを諭す
「あんたらの言う通り、この首はあいつのもんだ。俺はずーっと自分の顔が嫌いだった。虐められるほど醜い容姿が…そんな時、この場所に来て、あいつを見つけた!…羨ましいって思ったよ…だから、この姿同士なら、首くらい取っかえても良いかって考えて…ある日奪い取った」
その様子を想像したのか、顔を真っ青にする丸井と赤也
「ちょっと借りたら、返すつもりだったんだよ!…なのに、あいつ…俺の顔奪い取ったんだ!!」
それに首を傾げる仁王
仁「?…あいつ、首なかったぜよ?」
「っ違う!俺と違ってあいつは首を付けかえたり出来ない、だからー」
その時、ヒュッと息を飲んだジャッカル
そしてメンバーに声をなげかける
ジ「ーっ来たぞ!!」
ジャッカルの視線の先には
くねくねと動く人体模型が
雫はバッ!と顔を上げる
『…しょうがない。続きは体育館でた。君にも来てもらうよ!』
「っ嫌だ…痛いのは嫌だ!」
真「俺がおぶって連れていこう」
『有難う、弦一郎君』
こうして、一行は体育館へと逆戻りするのだったー
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じゃこ(プロフ) - なんで!!なんで!!こんな面白いんですか!!好きすぎます!!! (2019年12月15日 18時) (レス) id: beb0494169 (このIDを非表示/違反報告)
神羅課長(プロフ) - 最高ォォォォ!!!!ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"!!!! (2019年12月14日 18時) (レス) id: 700bfcfee7 (このIDを非表示/違反報告)
歌音 - 更新頑張ってください!! (2019年11月19日 11時) (レス) id: 60755d8909 (このIDを非表示/違反報告)
周助愛し隊団長 - 更新ぷりーぶです!!面白い!! (2019年11月2日 21時) (レス) id: 6cd51c2a27 (このIDを非表示/違反報告)
天元の赤百合 - とっっても面白いので早く続きが読みたいです! (2019年10月23日 2時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カナタ | 作成日時:2019年2月12日 22時