【テニプリ】モブ少女の無敗記録【逆ハー】part2 (ページ14)

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19.無いのにあって、有るのにないページ14

『…初めまして。私の言葉が理解できるのなら、空いている右手でこちらに手を振ってくれるかな？』

ダンッダンッとリズム良くボールが跳ねる音にかき消されないように

少し大きめの声で問いかける雫

程なくして、手をとめずにゆっくりと右手が振られる

赤「…聞こえてるんスね…」

丸「耳ねぇのによぃ…」

ボソリと呟く赤也と丸井

雫は言葉を続ける

『私達、人体模型の心臓を探しているんだけど…何か知らないかな？』

雫が問い掛けると、ゆっくりとまた右手が動き

後ろの出入口を指さすと右の方へと指さすように動かしてゆく

『…成程、ありがとう』

礼を言うと、レギュラー陣の元へ戻っていく雫

幸「なにか分かったのかい？」

『あぁ。彼はあの場所から動けないって事と、心臓は誰かが持っているって事がね』

柳「あの場所から動けない？」

柳の問いかけに、雫は答えてゆく

『あぁ、話をしている時彼の状態にも注目してたんだけれど…彼、あんなに強くドリブルしているのに足が全く動いてなかったんだ…普通、ドリブルするなら軽く足でリズムをとるものだろう？』

赤「………あっ！本当ッスね！」

確認しながら、頷く赤也

『だから、動かないんじゃなくて。あの場所に足を縫いとめられて動けないんじゃないかと推測した。だから近づいたんだけれどね』

仁「心臓は誰かが持っとるっちゅうのは？」

『彼は、出入口を指さした後先も指さした。心臓は色々と場所移動してるってことだよ』

雫の推理に一同が納得した所で
出入口へと向かうメンバー

『さて、彼から話を聞くにもまずは目の前の問題を片付けないとね』

丸「心臓探しだろぃ？」

『探すというか…心臓を持って動いている誰かから譲ってもらう必要があるね』

生「危ない事にならなければ良いのですが…」

心配そうに呟く柳生に
雫はふわりと笑いかける

『大丈夫、何かあっても私が必ず守るからさ』

自信満々にそう言い切る雫に

赤也と丸井は口元を抑えて少し赤くなるのだった

「「イケメェン…」」

『？』

真「さて、その心臓はいかようにして探す？」

『さっき、人体模型に出会ったでしょう？その時アレのオーラを覚えておいたんだ。直ぐには分からないけれど、移動している誰かが持っているなら校舎内を巡ればそのオーラを辿れるかもしれない』

幸「成程、じゃあ皆で行こうか」

幸村の言葉で
皆は体育館を一先ず後にするのだった