【テニプリ】モブ少女の無敗記録【逆ハー】part2 (ページ2)

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その2 ページ2

同じく、交響曲第5番ハ短調「運命」

なのに、その迫力は先程の非ではないと誰しもが思ってしまう程の強い音楽だった

見事弾き切った雫は
真っ青になるベートーヴェンを見据える

『…"言ったはずだ、私の偽物をやるなどおこがましいぞ。私の歌を完璧に弾けるのは私だけだ"』

それは、雫であって雫ではない声

椅子から立ち上がった雫は

震え上がる幽霊を見下した

その豹変に、メンバーも目を見開く

『"ベートーヴェンは、このルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンただ1人！それを心に刻んでおくがよい"』

「"～～～！！"」

音もなく消える幽霊

同時に、ドサッ！と音がしたと思ったら
気絶した幸村がいつの間にか倒れていた

慌てて駆け寄るメンバー

その端で、ふっと息を吐いた雫

柳は隣に立つ

柳「…驚いた、憑依も出来るのか？」

『まぁ、一応…全員じゃないけどね』

ふいにベートーヴェンの肖像画を見上げる

そこにはいつものあの肖像画が入っており

漸く毒々しいオーラも消えたように感じた雫なのだった

赤「雫先輩！幸村部長が目を覚まさないんす！！」

赤也が泣きそうな声で訴える

雫は駆け寄ると呼吸を確認するように口元に手を翳す

『…気絶しているだけだよ、でも心配だね。取り敢えず保健室に行こうか。あそこならベットもあるしもう少ししたら目も覚ますかもしれないし』

雫の提案に頷くメンバー

真田が気絶している幸村をおぶると
雫が先導して歩き出す

『それに、保健室に着いて幸村君が起きたら皆で作戦を話し合おうか。早くこの世界から出たいだろうし』

ブ「この世界…？」

ゆっくりと歩いていく皆の足音が響く

雫は懐から飴を取り出して口に入れる

『あれ、知らなかった感じか…今私たちがいる場所が、本来は何処にも存在するはずのない世界だって事だよ』

赤「それって…あの世的なやつっスか！？」

『そこまでじゃないけど…まぁ裏の世界みたいな感じではあるね』

程なくして、保健室に着くメンバー

中は何もおらず皆はいると
真田は幸村をベットに寝かせる

柳「さて、幸村を寝かせておいている間それぞれの今までの状況を改めて報告してもらおうか」

ノートを手にそういった柳に
それぞれは情報交換をし始めたのだったー