その2 ページ44
『うん、まあ以前その試合をした事があるって精市君から聞いてたから…それなら、天才と呼ばれる忍足君なら気がつくかと思ったけど…思ったより侵食されてるのかな…』
考える雫
幸村はそれを優しく見つめながら
肩にジャージを羽織って立ち上がる
幸「次は俺の番だね…雫」
『うん?』
幸「見ててね、俺頑張るから」
そう言って、神の子は優しく微笑んだー
その笑顔に、青くなる赤也と丸井
赤「ヤバイっすよ、あの顔…」
丸「跡部の奴、五感奪われるくらいじゃ済まないんじゃねぇ?」
コートに立つ幸村
その顔には微笑が浮かんでいる
対する跡部は
どこか落ち着きのない様子で幸村を見つめていた
跡「…ふん、あの2人は油断したようだが…俺様は違う」
幸「ふぅん?…跡部、賭けをしようか」
跡「アーン?」
幸村は、肩に乗せたジャージに目線をよこす
幸「この試合で、俺がジャージを落とすか落とさないか」
跡「…なんだと?」
幸「そう構えないでくれ、俺は落とさない方に賭ける…あぁ、それとも何かな?君も俺のジャージを落とさせるほどの試合なんて出来ないかな?」
幸村の見え見えの挑発
しかし、跡部は眉間にしわを寄せる
跡「上等だ…後で泣きを見てもしらねぇぞ?」
幸「ふふふ、君の顔が敗北に歪むのを楽しみにしているよ」
そして、試合は先行跡部で始まったー
結果は、何とも呆気なかった
特筆すべき場面もなく
ただ、幸村が返すだけで
跡部がイップスに陥り、五感を無くし
簡単に勝利してしまったのだ
何が起こったのか、氷帝側は理解できなかった
自分はどうしてしまったのか、跡部も理解できなかった
肩のジャージを直すこともなく
幸村は呆れたように溜息を零す
幸「本当に…どうしてしまったんだい?跡部」
跡「な、んで…何も見えねぇんだ…?」
幸「君はそんな男じゃ無かっただろう…少なくとも、3ヶ月前の君なら俺の安っぽい挑発になんて乗らなかったよ」
跡「…3ヶ月前…?………」
幸村の言葉に、何が引っかかったのか
黙り込む跡部
幸村はそれを背に自身のチームへと戻る
幸「お疲れ様、雫。見ててくれた?」
『お疲れ様、うん。なんというか…圧倒的だね』
幸「何時もの彼なら難しい筈だったんだけど…よっぽど影響されてるね。あれはほぼ練習してない」
『だよね…さて…』
考える雫
それを、憎々しげに見つめる寺神姫
そしてそのまま1日目は終了となるのだった
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じゃこ(プロフ) - なんで!!なんで!!こんな面白いんですか!!好きすぎます!!! (2019年12月15日 18時) (レス) id: beb0494169 (このIDを非表示/違反報告)
神羅課長(プロフ) - 最高ォォォォ!!!!ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"!!!! (2019年12月14日 18時) (レス) id: 700bfcfee7 (このIDを非表示/違反報告)
歌音 - 更新頑張ってください!! (2019年11月19日 11時) (レス) id: 60755d8909 (このIDを非表示/違反報告)
周助愛し隊団長 - 更新ぷりーぶです!!面白い!! (2019年11月2日 21時) (レス) id: 6cd51c2a27 (このIDを非表示/違反報告)
天元の赤百合 - とっっても面白いので早く続きが読みたいです! (2019年10月23日 2時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カナタ | 作成日時:2019年2月12日 22時