【テニプリ】モブ少女の無敗記録【逆ハー】part2 (ページ23)

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その2 ページ23

そして、魂のみとなった少年は

いつしか、自分をここまで追い詰めた同級生達に恨みを持つようになった

流れ着いた裏の学校で

そのおぞましくも重々しい私怨は

とぐろを巻くように少年に絡みついて行く

その魂に引き摺られるかのように

同じ体験をした魂達が少年の私怨のとぐろに巻き込まれてゆく

そんなものを見て、少年は気が付いた

ここでなら、自分はボスになれると

誰にも虐げられることは無いと

それから、少年は私怨を貯め続け
やがて怪奇と成り果てた

そして溢れ出て漏れだした呪いは
やがて他の魂をも巻き込んで

少年の手下として怪奇たちを作り出した

それが、他の怪談だったのだ

『…だから、花子さんが現代風なのは、実際昔の花子さんではなく、恐らく何らかの理由で若くに亡くなった誰かが、その少年の呪いに巻き込まれて"花子さん"にさせられてしまったから…人体模型も、人体模型に魂を縫い付けられた誰かが怪奇になった…真実はそんなものだよ』

幸「…まって、少年って…？」

『昔のこの学校の人だと思うよ。新聞にも小さいけど乗ってたし…まぁ、面影は無いだろうね』

赤「？時間が経ってるからっスか？」

『…見れば分かるよ』

カツン、階段を上がる雫
レギュラー陣もそれについて行く

そして遂に屋上の扉の前へ辿り着いた

『…皆、覚悟を決めて。この先に何が見えても…悲鳴を上げちゃダメだよ』

雫の忠告に頷くレギュラー陣
雫はゆっくり扉を開いたー

そこにいたのは

醜悪で、悲惨な、何か

人ではなく、ものでもなく

何かを集めた黒い大きな化け物がいた

「「「～～～っ！！」」」

『思ったより酷いね…』

幸「…そうか！私怨が魂を掴んで巻き込んだから…」

『他の人からの呪いも雁字搦めになってる…あれはもう少年本人じゃなくて…呪いの塊だね』

雫は懐から数珠を取り出す

『…さあ、皆はそこで動かないでね』

真「む、我々に出来ることは…！」

『それは、後で頼むよ…私は彼からまず魂を解放してあげないといけないから』

そう言って、雫は1歩大きく前へと進むのだったー