その3 ページ30
『私ね、テニスしたのはさっきが初めてなの』
越「は…？」
『でも、ここ何日か君を見ていたの。すっごく上手な君のテニスをみて、動きたくなっちゃって、だから参加したの！』
まるで要領を得ない話に
なんとなくはぐらかされていると感じつつも
助けてもらった義理があると思い
リョーマはそれ以上問い詰めることはしなかった
越「…一応、助けてもらったから、それで納得してあげる…ありがと」
目を逸らしつつ礼を言うリョーマに
雫は嬉しそうに笑うのだった
それから、リョーマが練習相手に困る事は無くなった
リョーマがコートに行くと、雫がおり
打ち合いをすればする程上達する雫
そして、2人を見て自分もと参加する子供達でコートは賑やかになっていった
そんな日々も、突然別れはやってくる
リョーマと雫が出会ってから、たった1週間でリョーマの周りは随分変わってしまった
そして、何時もの練習後の夕方
唐突に雫はリョーマに声をかける
『リョーマ君、私明日からここには来れないんだ』
越「…え、なんで…？」
『日本に帰るんだ。急に決まっちゃったから、言うのギリギリになってゴメンね』
越「………」
どうしようもない事は、リョーマもよく分かっていた
だから、引き止めるなんて事はしなかったが
帽子のツバを掴んで引き下ろすと
声を震えさせずに雫に話す
越「…俺も、いつか必ず行くから、日本」
『…リョーマ君…』
越「だから…次あった時は…テニス、してよね…」
『…うん…約束…約束しよう…！』
指切りの代わりに、握手を交わす
リョーマにとって、初めての友達とも言えた
不思議な、少女との出会いは
たった1週間で終わりを告げたのだった
『そのあと、私は沖縄に戻って、そして今は立海にいるんだ』
遠「へぇ〜！コシマエはよぉ雫が分かったなぁ？」
越「…まあ、忘れるわけないよね」
『私も、忘れては無かったよ？コシマエ君とリョーマ君が繋がらなかっただけで…』
越「…良いよ、次は逃がさないだけだから」
『？』
越「ほら、そろそろ時間だし…アンタは今日は動きやすい服装してないから…俺らのテニス見ててよ…約束は、また今度」
そう言って笑うリョーマに
雫は過去の面影を感じつつ2人についていくのだったー
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Ayaka(プロフ) - 続きの更新待ってます！ (12月12日 17時) (
レス) id: de4c1d5b4a (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです…続きが読みたい… (2023年2月27日 3時) (レス) @page33 id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)
さわ(プロフ) - 1から読みました!!キャラとの絡みもですが事件の内容や解決までがとても面白かったです！夢主の性格もドタイプでした!! (2021年8月22日 12時) (レス) id: 2994709d1c (このIDを非表示/違反報告)
ちるせ(プロフ) - とても面白いと思って見させていただきました！出来ればで良いので続き頑張ってください (2021年8月16日 0時) (レス) id: f5cbf3376d (このIDを非表示/違反報告)
紗夜(プロフ) - 続きを…続きをください！ (2021年8月7日 19時) (レス) id: 5c2d649dea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カナタ
| 作成日時：2019年12月17日 23時
