その2 ページ25
柳「有り難う御座います。これで私も安心しました」
綺麗なお辞儀と共に礼を言う柳生に
雫もニコリと笑って飴を食べる
『いえいえ、また何かあったら言ってね〜』
柳「はい、では私はこれで。送れなくてすみません」
仁「俺がおるきに、安心せい」
どうやら、親にお使いをされたようで
帰り道とは反対方向へ立ち去る柳生
その背中を見送った後、雫と仁王は帰路へと歩き出す
仁「…のぅ、雫」
『なんだい?雅治君』
仁「…アレは、本当に柳生を助けるつもりだったんか?」
仁王の問い掛けに、雫は前を向いたまま答える
『…そう思うのかい?』
仁「…俺は、その場に居らんかったから断言は出来んが…もし、柳生がハンカチを拾って止まらなかったら…そのまま歩いたら、事故はかなり後ろで起きていたんじゃないか?」
『………』
仁「たまたま、時間がギリギリ合わんかっただけで…もう少し立ち止まっておったら…柳生引かれてたじゃろ」
黙り込む雫、しかしそれは肯定でもあった
仁「…なんでじゃ…柳生は何もしとらんじゃろ…!」
『…幼い霊なんて、そんなものなんだよ。寂しくて、1人は怖くて…だから、忠告だけしておいたよ』
カラン、飴を転がす音に
仁王は雫を見やる
仁「忠告…?」
『''早く行かないと、一生両親に会えないよ''…って。もう彼女はここには居ないから大丈夫』
黙り込む雫に、それ以上は聞き出せなかった仁王
雫はいつも通り、ニコリと笑う
『柳生くんは、霊の少女に助けられた…それで、いいんだよ。雅治くん』
仁「…ほうじゃな。雫がいいなら、俺はそれでえぇ」
『さて、この後帰る?』
仁「プリッ、面白い駄菓子屋見つけたんじょが…雫、一緒に行かんか?」
『え、行く!そういうところに掘り出し物の飴があるんだよねぇ〜』
ルンルン気分で歩き出す雫に
仁王も笑いつつその隣を歩くのだった
『ハンカチは優しさだったのか…さて、今日の依頼はこれにて解決。次回は…おや、随分懐かしい友人に会えそうだね』
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Ayaka(プロフ) - 続きの更新待ってます! (12月12日 17時) (レス) id: de4c1d5b4a (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです…続きが読みたい… (2023年2月27日 3時) (レス) @page33 id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)
さわ(プロフ) - 1から読みました!!キャラとの絡みもですが事件の内容や解決までがとても面白かったです!夢主の性格もドタイプでした!! (2021年8月22日 12時) (レス) id: 2994709d1c (このIDを非表示/違反報告)
ちるせ(プロフ) - とても面白いと思って見させていただきました!出来ればで良いので続き頑張ってください (2021年8月16日 0時) (レス) id: f5cbf3376d (このIDを非表示/違反報告)
紗夜(プロフ) - 続きを…続きをください! (2021年8月7日 19時) (レス) id: 5c2d649dea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カナタ | 作成日時:2019年12月17日 23時