55.それは優しさ? ページ24
放課後、部活が終わると雫は待ち合わせをしていた柳生に会うと
何故か仁王までついて来ていたのだ
『なんで、雅治くんまで…?』
仁「ご主人はイジワルじゃのぅ?番犬置いて行くことなか」
『答えになってないよ…柳生君、良いの?』
柳「はい、私も少し不安ではありましたから」
依頼人である柳生の許可を貰うと
3人は話しながら歩いて行く
仁「そういや、柳生。お前さん相手の子は見えんかったのか?」
柳「えぇ。何かが通った気はしたんですが…しかし、コレが実物としてあるのは真実ですから」
懐から綺麗に畳まれたハンカチを取り出す柳生
自分は、このハンカチに助けられた
そう思うと少し目を細めてそれを眺めてしまう
カラン、雫はそれを横目で見つめながら
飴を口の中で転がす
そうこうしているうちに、問題の場所まで辿り着く
『…確かに、見晴らしが良いとは言えない場所だね。過去にも事故が有ったんじゃない?』
仁「なんで分かるんじゃ?」
仁王の問い掛けに、雫は斜め前の方を指差す
『あそこ、小さなお地蔵様が居る。普通は地域を守る守神様とかなんだけど…赤い前掛け、御供物が子供の好きなお菓子とか…多分、ここで事故死した子供を供養してるんじゃないかな』
ガリ、飴を噛み砕くと棒を手持ちの袋に仕舞い込んで捨てると
柳生の方へと向き直る
『さて、じゃあそのハンカチの持ち主にお礼言ってさっさと終わろうか』
雫はそう言うと、柳生の左手を握りしめる
柳「っへ?」
仁「あ、ズルイ」
『何言ってるんだい…』
仁王の言葉に呆れつつ、雫は目を閉じて集中する
『柳生くんのイメージを元に、持ち主を探すんだよ…柳生くんや雅治君には見えないかも知れないけど…』
柳「そうなのですか…」
納得すると、柳生もじっと息を潜める
それを見守る仁王、少しの沈黙が辺りを包んだ
そして、その時は唐突に訪れる
ぞわり
仁王の背筋が冷や汗を伝うような嫌悪感がつたる
バッ!と柳生の方を見つめると
雫と柳生の目の前に白い影のようなものが浮かんでいるのが見えたのだ
仁「…(まさか、本当に幽霊が助けてくれたんか…?)」
『…君は…そうか…でも、返すよ。ありがとう』
何かを知ったような言い方の後
柳生からハンカチを貰うと白い影に渡す雫
白い影は、ゆらゆらと揺れながら
ハンカチを吸い込むように受け取ると
そのままふわりと消えてしまったのだっとー
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Ayaka(プロフ) - 続きの更新待ってます! (12月12日 17時) (レス) id: de4c1d5b4a (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです…続きが読みたい… (2023年2月27日 3時) (レス) @page33 id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)
さわ(プロフ) - 1から読みました!!キャラとの絡みもですが事件の内容や解決までがとても面白かったです!夢主の性格もドタイプでした!! (2021年8月22日 12時) (レス) id: 2994709d1c (このIDを非表示/違反報告)
ちるせ(プロフ) - とても面白いと思って見させていただきました!出来ればで良いので続き頑張ってください (2021年8月16日 0時) (レス) id: f5cbf3376d (このIDを非表示/違反報告)
紗夜(プロフ) - 続きを…続きをください! (2021年8月7日 19時) (レス) id: 5c2d649dea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カナタ | 作成日時:2019年12月17日 23時