その3 ページ22
雫の自己紹介に律儀に返してくれる亜久津に
雫は好印象を持ちつつ答える
『私、昔からあんな感じの能力が使えるんです。物や人を浮かしたり、幽霊をお払いしたり…一般で言う超能力者って事ですね』
いつの間にか飴を噛み砕いた雫は
ツラツラと答える
実際に体験したからか、亜久津は文句も言わずそれを受け入れる
それより、気になっていた事もあったが
取り敢えずと胸元からタバコを取り出してー
雫に、それを手を押さえて止められる
亜「…あぁ?」
『ダメですよ。まだ未成年だし…何より、体に良くない』
タバコを取り上げた雫は
それを手で隠し、次開けるとペロキャンに変える
『はい。これの方が100倍良いですよ。私のお勧めケーキシリーズのモンブラン味です』
そう言って返す雫に
亜久津は受け取るまま言葉を出す
亜「…テメェ、俺が怖くねぇのか?」
『?』
キョトンとする雫に
亜久津は飴を握り少し声を強める
亜「お前らからしたら、さっきの高校生も俺も変わらねぇだろ。たまたま女に迫ってカツアゲしてるあいつらが胸糞悪いから俺が蹴散らしただけだ」
飴を見つめる亜久津は視線を落とす
雫は少しだけ考えるとそれでも、と声を出す
『それでも、あの時、私にとってはヒーローだったんです』
亜「ー」
『確かに、立場が違えば、状況が違えば、悪い人として出会ってたかも知れない…でも。あの時、確かに貴方は私を助けてくれたんです。私が無理やり押し付けた飴も捨てたりせずに。そんな不器用で優しい人、私は悪く思えません』
そう言って、やはり笑う雫に
亜久津は呆れたように鼻を鳴らす
亜「…とんだお人好しだな、お前」
『そんな事無いですよ。エゴの塊です』
亜「同い年なんだろ?敬語はいらねぇ。後…俺はモンブランは嫌いじゃねぇが、こういうもんよりは本物が好きだ」
そう言いつつ、パクリと食べてくれるので
やっぱり優しい人だなぁと思う雫なのだった
あれから、亜久津に
亜「名前で言い。後お前厄介ごと巻き込むタイプだからなんかあったら連絡してこい」
と連絡先を交換した事で
後々愉快な友達や後輩くんが出来るなんて
今の雫は知る由も無いのだったー
616人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「テニスの王子様」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Ayaka(プロフ) - 続きの更新待ってます! (12月12日 17時) (レス) id: de4c1d5b4a (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです…続きが読みたい… (2023年2月27日 3時) (レス) @page33 id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)
さわ(プロフ) - 1から読みました!!キャラとの絡みもですが事件の内容や解決までがとても面白かったです!夢主の性格もドタイプでした!! (2021年8月22日 12時) (レス) id: 2994709d1c (このIDを非表示/違反報告)
ちるせ(プロフ) - とても面白いと思って見させていただきました!出来ればで良いので続き頑張ってください (2021年8月16日 0時) (レス) id: f5cbf3376d (このIDを非表示/違反報告)
紗夜(プロフ) - 続きを…続きをください! (2021年8月7日 19時) (レス) id: 5c2d649dea (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:カナタ | 作成日時:2019年12月17日 23時