52.帰れる場所があるから ページ19
夕方頃、素潜りでの決着は
雫の『そろそろ帰ろー！』で全員上がってきてしまい決着付かずで終わり
それぞれ帰路へとつく
家が近い木手が最後まで雫を送る最中
雫は楽しかった感想を木手に語りかける
『流石、永四郎君達の仲間だね。楽しい人ばかりだったよ』
木「…まあ、退屈はしないですね」
素直じゃない言い方に、雫は慣れた様にゆったりと笑う
『連休だけでも、帰ってきて良かったよ…明日には帰っちゃうからね。また会う日まで間空いちゃうから』
木「…そんなに、本土の学校は良いの？」
『良いというか…私がやろうと決めた事だからね。友達もたくさん出来たから、今は楽しいよ』
何かを思い出す様に目を細める雫に
木手は少し先を見つめながら歩く
木「…俺は、冗談で終わらせるつもりはありませんよ」
『へ…』
ザッ…足を止める木手に、雫も止まる
夕日のせいか、木手の表情は逆光になってハッキリとは見えない
木「…雫、君が何処へ行こうと…帰る場所は此処ですよ。それを忘れないようにね」
そっと、雫の手を取り
緩く、でも確かに握りしめる木手
雫は、どこか寂しそうなその声色に
知らず知らずのうちに頷く
『…そうだね。だから、私は前に行けるんだよ。ここで、お婆ちゃんが、裕次郎君達が…永四郎君が、待っていてくれるから。有り難う』
木手の手を握り返すと、優しく微笑む雫に
木手は息を飲むと、諦めたように笑い
手を離す
木「…全く、貴女には敵いません。本土の男に騙されたり、口説かれたりしないように」
『えぇ〜、ナイナイ。永四郎君達と同じでテニス部の人達イケメンばっかりだから、私の事なんて範囲外だよ』
木「…鈍感な所も、可愛いんですけどねぇ…」
『？』
木手は、昔から苦労させられた鈍感な彼女に
内心ため息を溢したくなったのだったー
次の日、帰りの空港で
お婆ちゃんとあの日遊んだメンバー5人がお見送りをしてくれていた
それぞれ、必ず会おうという言葉を交わしていき
お婆ちゃんとはハグをして挨拶する
婆「また、何かあったら帰っておいで」
『うん。有り難う。皆も、また連絡するね』
木「えぇ。皆さん、まず私を通して下さいね」
甲「永四郎、嫉妬深さんやー(永四郎、嫉妬深いな)」
平「そうだなー」
手を振って、飛行機に乗り込む雫
こうして、数日の里帰りは幕を閉じたのだったー
ピロン
雫のHPに、依頼のメールが届いたのは
まだ誰も気が付かないでいたー
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 616人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「テニスの王子様」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Ayaka(プロフ) - 続きの更新待ってます！ (12月12日 17時) (
レス) id: de4c1d5b4a (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです…続きが読みたい… (2023年2月27日 3時) (レス) @page33 id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)
さわ(プロフ) - 1から読みました!!キャラとの絡みもですが事件の内容や解決までがとても面白かったです！夢主の性格もドタイプでした!! (2021年8月22日 12時) (レス) id: 2994709d1c (このIDを非表示/違反報告)
ちるせ(プロフ) - とても面白いと思って見させていただきました！出来ればで良いので続き頑張ってください (2021年8月16日 0時) (レス) id: f5cbf3376d (このIDを非表示/違反報告)
紗夜(プロフ) - 続きを…続きをください！ (2021年8月7日 19時) (レス) id: 5c2d649dea (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：カナタ
| 作成日時：2019年12月17日 23時
