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50.その時、理由ができた ページ16

少し離れた場所にまで走り抜けると

木手と甲斐は立ち止まり、手を掴まれていた雫もそれに合わせて立ち止まる

くるりと2人に振り向くと
雫は話しかける


『…歩きながら、話すね』

その提案に、木手と甲斐は頷く



潮風が気持ちよく頬を滑る昼下がり

砂浜をゆっくり歩く3人は雫の言葉から会話が始まった


『…私ね、昔からああいう不思議なものが見えて、お払いみたいな事も出来たの…でも、どうしたら良いのか分からなくて、少しだけそういうのに詳しいお婆ちゃんのいるこの場所へやって来たの。そうしたら、お婆ちゃんがあの主の事で困ってるのを知って…少しでも助けになれば良いかなぁって』


雫の言葉に、2人は思い出す

雫が見せた不思議な力は
2人にはとても美しく見えたのだ


『今日の事は、絶対内緒にして欲しいの!こんな変な力、お婆ちゃんも困らせちゃう…』


それは、子どもらしい親を思う気持ちからでた言葉だ

木手と甲斐は目を合わせて頷く


甲「あたいめーやん!ベラベラ喋ったりさん!(当たり前だ!ベラベラ喋ったりしない!)」

木「貴女は命の恩人ですからねぇ。安心してください」

『…ありがとう、木手くん、甲斐くん』

甲「なめーっし呼んっしくれ!(名前で呼んでくれ!)」

木「僕も…そんなにかしこまらないで」

甲「永四郎んかい言われぶしこーねーん(永四郎に言われたくない)」

『…ふふ、優しいんだね、永四郎くん、裕次郎くん』


雫は自分自身の掌を見つめる


『…君たちみたいに優しく強かったら…私はこの力から逃げなくて済んだのかな…』

甲「ちゃーした?(どうした?)」


甲斐の問いかけに、子供ながら溜まっていた不安と不満をポツリポツリと語り出す



『…私、生まれた時からこうで…どうしたらいいか分からないんだ。物を浮かせたり、お払いをしたり…でも、なんでもできるって、何にもできない事と同じなんだよ…どうしたら、いいのかなぁ…』


思いつめるような雫の横顔に

木手と甲斐は息を飲むがー




甲「やしが、雫ーうすまさんどー!(でも、雫は凄いよ!)」

木「えぇ。僕たちのヒーローですからね」



2人の大きな声に
雫は2人に視線を向ける

その2→←その2



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作品ジャンル:アニメ
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Ayaka(プロフ) - 続きの更新待ってます! (12月12日 17時) (レス) id: de4c1d5b4a (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです…続きが読みたい… (2023年2月27日 3時) (レス) @page33 id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)
さわ(プロフ) - 1から読みました!!キャラとの絡みもですが事件の内容や解決までがとても面白かったです!夢主の性格もドタイプでした!! (2021年8月22日 12時) (レス) id: 2994709d1c (このIDを非表示/違反報告)
ちるせ(プロフ) - とても面白いと思って見させていただきました!出来ればで良いので続き頑張ってください (2021年8月16日 0時) (レス) id: f5cbf3376d (このIDを非表示/違反報告)
紗夜(プロフ) - 続きを…続きをください! (2021年8月7日 19時) (レス) id: 5c2d649dea (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カナタ | 作成日時:2019年12月17日 23時

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