【テニプリ】モブ少女の無敗記録【逆ハー】part3

46.不思議な転校生 ページ11

それは、木手と甲斐が小学3年生の時

本土から引っ越してきたという転校生がいたのだ


「はい、彼女はA 雫ちゃんです！皆仲良くしてあげてね〜」

同じく、本土出身の担任は訛りもなくそう言う

しかし子供達は地元民

『宜しくお願いします』

しかも、どこか大人びた雰囲気のある雫に

幼い子供達は興味津々だったー



「何処から来たぬ？(何処から来たの？)」

『東京だよ』

「ぬーっし引っ越して来たぬ？(なんで引っ越して来たの？)」

『お父さんが、海外に行ってて…お婆ちゃんの家に来たの』

「好きなかみむんなに？(好きな食べ物はなに？)」

『なんでも食べれるけど…甘いものが特に好き』

沖縄弁を話せなくとも
なんとなく理解できるような言葉を選んで質問に答える雫を嫌う人はいない

しかも、色白で可愛い美人とくれば
男子もソワソワと彼女を見つめる



甲「永四郎！あぬ子ちゅらさんやー！(永四郎！あの子可愛いな！)」

木「またですか？前も隣のクラスの女子をそう言っていたじゃないですか」

帽子をかぶった少年と、眼鏡をかけた少年は
クラスの端の方で話し合っていた

眼鏡をかけた少年こと、木手永四郎は
小学3年生らしからぬ話し方で

帽子をかぶった少年こと、甲斐裕次郎は
キラキラと楽しそうな感情を乗せ

そんな正反対にも見える2人に
雫は目を向ける事なくその日は終わったー





幼馴染みの木手と甲斐は
示し合わせた訳でもないが帰り道を一緒に帰る

大抵、甲斐が話して木手が適当に相槌を打つだけなのだが

今日の話題はもっぱら転校生の事だった

甲「そう言えー、あぬ転校生わんらがぬー話ちょーんのか分かってたんみたいだやー？(そう言えば、あの転校生俺らが何話してるのか分かってたみたいだな？)」

木「勉強したんじゃ無いですか？聞き取れてはいたけど話せては無かったですし」

甲「ふーん…永四郎みたいなもんか！」

それを否定する訳でもなく黙る木手に

甲斐は話題を変えるように手を打つ


甲「うりやか！あちゃーぬ約束覚えとーんか？(それより！明日の約束覚えてるか？)」

木「…本当に行くんですか？」

甲「当たり前！あちゃーこそ主捕まえるんだ！(当たり前！明日こそ主を捕まえるんだ！)」

意気込む甲斐に、木手は諦めたように溜息を零す


そんな2人を見つめる1人の影に
2人は気づくはずも無いのだったー

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