その4 ページ35
柳「何故か、赤也達がここに頻繁に来ていることを幸村が心配してな。君を調べたのも元々はそれが理由だった」
『…幸村君…?…そんな人依頼人にも居ないし…』
柳「幸村を知らないのか?」
『…テニス部?』
柳「あぁ、だが幸村はそのテニス部の部長を務めている」
『あぁ〜、成程…』
柳「…本当に知らないんだな」
『あんまり興味も無かったというか…そっか…覚えておくよ…でもなんでその幸村君に警戒されているのかな…?』
柳「俺も分からない。幸村は3年になる頃からテニス部に異様に近い女子生徒を警戒するようにはなった気がするが…」
その言葉に考え込むように顎に手をやる雫
しかし、次には元に戻っていた
『…まぁ、幸村君には柳君が思った通りに伝えてくれて構わないよ〜』
柳「あぁ、悪い様には言わない。約束しよう」
『ありがとね』
柳「だから、これからも色々と話してくれるか?」
『ん?…?』
柳は右手をこちらへと差し出した
柳「君と話していると新しい発見が出来る。俺もデータを取るのに躍起になり過ぎていたと今日気が付くことが出来た。これからももっと君と話がしたいんだ。雫」
その言葉に、雫は少しだけ頬を緩ます
『うん、こちらこそ。宜しくね、蓮二君』
そう言って、握手を返しながらはにかむ雫を
柳は思わず見つめてしまうのだったー
柳「…という訳で、結果としては彼女は嘘つきでもなんでもない。ただの一般的な女子生徒だったぞ、幸村」
幸「………」
柳の答えに、幸村は納得がいかないようで眉を顰めたまま腕を組んで柳を見つめる
幸「彼女の学歴は?」
柳「幼少時は父親の仕事の関係で日本には居なかった様だが、至って普通の家庭だ」
幸「…そう、ありがとう。もういいよ」
柳「…幸村、俺には彼女を怪しむ理由が見当たらない。なんでお前はそこまで彼女を怪しむんだ?」
その問いかけに答えず黙り込む幸村
柳は諦めた様に部室を後にする
部室で1人になった幸村はじっと無人のテニスコートを見つめる
幸「…俺しか、居ないんだ…仲間を守れるのは、俺しか居ないんだよ…」
その言葉は誰に届くわけでもなく
静かに音を消していったのだったー
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カナタ(プロフ) - とと丸さん» コメントありがとうございます!そうでしたか…私は知らなかったのですが、何件かコメントを頂いているので、お話は削除して訂正させて頂きます。大変申し訳ございませんでした。これからもどうぞよろしくお願いいたします。 (2019年10月13日 21時) (レス) id: fbcd1047f0 (このIDを非表示/違反報告)
とと丸 - あの、失礼だとは思うんですけど8話目のモンブランの話とよく似た話を読んだことがあります。これは偶然ですか?? (2019年2月23日 16時) (レス) id: 89ceb7c4c7 (このIDを非表示/違反報告)
アルシェ - 続き楽しみに待ってますね♪このお話とても面白いです! (2019年1月25日 1時) (レス) id: f819ec86cc (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - やゆよさん» コメントありがとうございます!亀更新ながら続いていくのでどうぞよろしくお願い致します! (2019年1月20日 22時) (レス) id: fbcd1047f0 (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - マッキーさん» コメントありがとうございます!お気に入りまで!これからも亀更新ですがどうぞよろしくお願い致します! (2019年1月20日 22時) (レス) id: fbcd1047f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カナタ | 作成日時:2017年7月8日 2時