【テニプリ】モブ少女の無敗記録【逆ハー】part1

5.あの子は私？ ページ25

最近雫の部室によく来る仁王
彼にはテニスでのペアがいた

ペテン師の異名を持つ仁王のペアを務める彼もまた、仁王に化けられる程の実力者で

現に2人が入れ替わり試合を混乱させる作戦もあるほどだ

そんな彼ー柳生比呂士は最近
ある事に悩まされていた





「あっ、柳生！お前昨日珍しくゲーセンに居たよな？」

「あ、柳生君！昨日一緒にいた女の子彼女さん？」

「柳生〜、お前あんな奴らとつるむなんて意外だな〜」




柳「…なんなのですか…」

ここ最近、覚えの無いことを言われる事があまりにも多いのだ

自分が行ってもいない場所に居たとか

覚えのない彼女がいるだとか

派手な交友関係があるだとか

あまりにも言われるそれに柳生は精神的に疲労しつつあった




それを解決するべく、疑いたくは無かったが他に原因も無いため仁王を呼び止めたのだ


仁「おぉ、柳生じゃなか。どうした？」

柳「とぼけないで下さいよ、仁王君。最近私が居ないはずの場所で目撃情報があまりにも多発しています。君の仕業でしょう？」

柳生の言葉に仁王は首を傾げる

仁「？…柳生、俺は最近柳生になっとらんぜよ。試合も無いし、いつもお前さんに成り代わる訳じゃなか」

柳「っ、じゃあ、なんで私が他の場所で居るなんて噂がたつんですか！？」

仁「柳生、落ち着け」

柳「ーっ！…すみません、取り乱しました…では」

仁「っおい！柳生！…アイツ…」

急いで立ち去る柳生を
仁王は少しだけ目を細めて見つめるのだった





『そりゃあ、''ドッペルゲンガー"の仕業かな』

仁「ドッペルゲンガー？」

『仕業というか、現象名なんだけれどね』

あの後、部活が休みなのを利用して放課後雫の元に相談しに来た仁王に

雫はソファで寝そべりながらそう答える


『正しくは、"自己像幻視"と呼ばれている幻覚の1つさ。そこに居るはずのないそっくりさんを多くの人が目撃する…ただ、柳生君？の話を聞くとそれにしては不自然な点があるね』

仁「？」

ガリ…と飴を噛み砕く雫

ソファから起き上がり前に座る仁王に目線を合わせた


『多くの人間が、様々な時間、場所で柳生君を目撃していると言うことだよ。つまり、余程のソックリさんが多方面で出没していると言う事になる』

仁「…それって…まさか…！」


『…どうやら、怪奇現象研究部の出番の様だね』

その言葉に、仁王は強く頷くのだった

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