その3 ページ16
雫は差し出された手を見つめると
ゆっくりその手をとって立ち上がる
その瞬間、ふと仁王は気がついた
仁「…(視線が、消えとる)」
あれだけ煩わしかった視線が
今は何も感じないのだ
バッ！と周りを見渡しても何も感じなかった
仁「なんでじゃ…」
『本当にごめんなさい、それじゃあ』
そう言ってあっさり立ち去る雫の背を
仁王は思わず見つめる
立海の制服を着る彼女の背中は
どこか凛として眩しく見えたのだった
『…びっくりしたぁ…あんなに霊にモテる人初めて見たわぁ…』
新作ペロキャンみたらし団子味を口にくわえつつ
先程ぶつかった少年を思い出す
『思わず軽めの結界かけといたけど…明日には切れてるだろうし…でもなぁ…』
うぅん…と考えながら夕焼けを見上げる
『知らない人になぁ…お節介すぎるか』
赤也達を知らなかった雫が
仁王を知るはずも無く
まぁなるようになるだろうと
新しいペロキャンを楽しむ事にするのだったー
一方、仁王も自宅にて今日の帰りを思い出していた
たまたま少女とぶつかってから、視線を全く感じなくなったのだ
今夜はやっと深く眠れる気さえした
仁「…明日、探してみるかのぅ…」
そのボヤキは誰に届くわけもなく
静かに闇に溶けてゆくのだった
〜次の日〜
仁王の探し人は思ったより早く分かった
何故なら、友人の友人が探し人だったからだ
午前中、ぼんやりと昨日の出会いを思い出し自分の学校の制服と同じなところまでは思い出せたが
学年までは思い出せなかったので、憂鬱な気分を溜息で誤魔化していた
そんな彼に思わず声をかけたのが、彼と同じクラスで友人の丸井ブン太だった
丸「おい、仁王！」
仁「…なんじゃ？」
丸「最近なんか悩んでねぇか？」
仁「…ちょいと疲れとるだけじゃ。気にせんでくれ」
丸「…俺の友達で、話聞くのが上手い奴がいるんだよぃ！今日昼休みあいにいこーぜ」
仁「は…？」
丸「あっ、先生来たな！じゃあ昼休み空けとけよぃ！」
そう言って笑いながら席に戻る丸井
仁王はぽかんとそれを見つめた後
諦めたようにまた溜息を吐いたのだった
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カナタ(プロフ) - とと丸さん» コメントありがとうございます！そうでしたか…私は知らなかったのですが、何件かコメントを頂いているので、お話は削除して訂正させて頂きます。大変申し訳ございませんでした。これからもどうぞよろしくお願いいたします。 (2019年10月13日 21時) (
レス) id: fbcd1047f0 (このIDを非表示/違反報告)
とと丸 - あの、失礼だとは思うんですけど8話目のモンブランの話とよく似た話を読んだことがあります。これは偶然ですか？？ (2019年2月23日 16時) (レス) id: 89ceb7c4c7 (このIDを非表示/違反報告)
アルシェ - 続き楽しみに待ってますね♪このお話とても面白いです! (2019年1月25日 1時) (レス) id: f819ec86cc (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - やゆよさん» コメントありがとうございます！亀更新ながら続いていくのでどうぞよろしくお願い致します！ (2019年1月20日 22時) (レス) id: fbcd1047f0 (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - マッキーさん» コメントありがとうございます！お気に入りまで！これからも亀更新ですがどうぞよろしくお願い致します！ (2019年1月20日 22時) (レス) id: fbcd1047f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カナタ
| 作成日時：2017年7月8日 2時
