【テニプリ】モブ少女の無敗記録【逆ハー】part1

3.女の執着霊より怖い ページ14

仁王雅治はペテン師である

これはあくまでコート上の異名ではあったが

元々彼は人の心を察するのに長けていた

特に姉がいるのもあって
中学生ながら女子の扱いには慣れていた

その飄々とした性格も
子供から大人びようとしていた女子達からは憧れの存在として映っていた

故に立海テニス部の中でも彼の人気は高く

また同時に

ファンの女子の想いも強かったのだー








仁「…」

ある帰り道
仁王は1人で帰る途中だった

最近ある事が悩みとなっていて誰かと帰ることを避けていたのだ

仁「…(今日も感じるのぉ…)」

そう、早い話がここ1週間程誰かにストーカーされている気がするのだ

最初は柳生や丸井と帰っている時に気付いたので、テニス部の誰かの関係者かと思ったが

自分が1人で帰る時もその視線に気づき
ターゲットは自分だと知ってから巻き込まないように極力1人で帰るようにしていた

ストーカーなら、彼もさっさと相手を突き止めて辞めさせたのだが

仁「…(やっぱり、見えんのぅ)」

相手がさっぱり見えないのだ

視線を感じ、気配もするのに

実体として見る事はできないのだ


そこで、仁王は1つの仮説をたてた


そう、霊にストーカーされていると




仁王雅治は誰にも言えない秘密があった

人には見えない存在を
何となく感じとる事ができるのだ

しかし、話しかけたり
ましてや祓ったりなんて出来るはずもなく

ただ悪戯に時が過ぎてゆくだけだった


仁「…(どうしたもんかのぅ…)」

今度の休みにお祓いでもしてもらおう

そんな悠長に考えていたのを
後に仁王は後悔することを知らないー







『…君達、毎日よく飽きないねぇ…』

赤「つーか、なんで丸井先輩も来るんすか！？仁王先輩と食べればいーじゃないっスか！」

丸「仁王の奴最近休み時間になるとふらっと消えるんだよぃ！それに、友達と飯食って何がわりーんだよぃ！」

ソファに座って呆れる雫の前には

言い争いながら昨日雫が作ったシフォンケーキをデザートに食べる赤也とブン太の姿

ブン太の弟くん誘拐事件から、ブン太もこうして雫の部室によく来るようになったのだ

彼も赤也と同じく、ここならゆったり昼食が食べられるからという理由でだった

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