その5 ページ12
丸「っはぁ！？みんな居るじゃねぇか！」
『まだ、見つけてない子がいるじゃない』
そう言って、たどり着いたのは寺の後
そこにあったのは、大きな岩と
その下に微かに見える木の板
『…』
雫はそこに手をかけると
ポゥ…と光を滲ませる
岩はゆっくり動き出し
そして下の木の板が顕になった
丸「…んだよ、これ…」
『昔で言う''防空壕''って奴だよ、ここに…』
ぎいいいいい…と扉を開けると
そこには幼い少女が涙目でこちらを見上げていた
『…''チヨちゃん、みーつけた''』
そして雫の伸ばした手を
チヨちゃんはゆっくりと掴み取ったのだったー
『ずっと見つけて上げられなくて、ごめんね』
「''いいの…お姉ちゃんが最後に見つけてくれた''」
おかっぱの少女は、コロコロと可愛らしい声でそう笑う
雫はふっと微笑むと、空いている手で女の子の頭を撫でた
『これでやっと、君は自由だよ』
「''………''」
頷く少女は、ブン太の弟の方を向いた
「''ごめんね、怖い目にあわせて''」
「！…ううん、僕こそ、見つけてあげられなくてごめんね…」
「''…ありがとう''」
ゆるゆると手を振りながら
段々と透けてゆくチヨちゃんに
弟くんは声を張り上げた
「っ今度！次会えた時は…また、一緒に遊ぼうね！！」
その言葉に目を見開くと
嬉しそうな泣きそうな顔で
頷いて消えていったのだったー
気がつくと、3人はお寺の出入口に戻されていた
パッと手を離した雫は
カラン、と飴を口の中にほおりこむ
『…さて、一件落着だね。じゃ』
帰ろうとする雫を
弟くんは慌てて呼び止める
「お姉ちゃん、兄ちゃんのお友達？」
『うーん…ただの同級生かな〜』
ブ「どうしたんだよぃ？」
「…有難う！僕を助けてくれて…」
ぺこり、頭を下げる弟くんに
雫はポンポンと頭を撫でる
『どういたしまして。でも、お兄さんにも有難うって言っておきなよ。お兄さんが私に君を探して欲しいって頼んでなければ、私は君も、チヨちゃんも助けられなかったからね』
その言葉にブン太は目を丸くする
弟くんは何度も頷いていた
そして、夕暮れの中
行方不明事件は静かに幕を閉じたのだったー
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カナタ(プロフ) - とと丸さん» コメントありがとうございます！そうでしたか…私は知らなかったのですが、何件かコメントを頂いているので、お話は削除して訂正させて頂きます。大変申し訳ございませんでした。これからもどうぞよろしくお願いいたします。 (2019年10月13日 21時) (
レス) id: fbcd1047f0 (このIDを非表示/違反報告)
とと丸 - あの、失礼だとは思うんですけど8話目のモンブランの話とよく似た話を読んだことがあります。これは偶然ですか？？ (2019年2月23日 16時) (レス) id: 89ceb7c4c7 (このIDを非表示/違反報告)
アルシェ - 続き楽しみに待ってますね♪このお話とても面白いです! (2019年1月25日 1時) (レス) id: f819ec86cc (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - やゆよさん» コメントありがとうございます！亀更新ながら続いていくのでどうぞよろしくお願い致します！ (2019年1月20日 22時) (レス) id: fbcd1047f0 (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - マッキーさん» コメントありがとうございます！お気に入りまで！これからも亀更新ですがどうぞよろしくお願い致します！ (2019年1月20日 22時) (レス) id: fbcd1047f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カナタ
| 作成日時：2017年7月8日 2時
