甘すぎる【赤】

すきだよ ページ1

時刻は25時





彼がどうしても見たいと言った恋愛映画を見ていたらこんな時間になっていた


「寝よっか」


彼の言葉に小さく頷いて2人で寝室へと向かう





なんだか少し不思議な気分かも

余韻が残る頭の中はぽかぽかしていた


それは彼も同じみたい


ベッドに腰掛けると少し上から声がふってきた



「ねぇねぇA、俺のことすきぃ？」

語尾が伸びた甘い声で囁かれたと思ったら、優しく体を押されて背中がベッドについた



「ねぇ、すき？」


熱の籠るオッドアイに見つめられて目が離せない




『すきだよ』



私が言うと満足そうに微笑んで、
ちゅっと控えめにキスをした


ちょっと物足りなくて彼の袖をつかんで見つめれば

何度も繰り返し、どんどん長くなっていく



『ん…あ……っっ』




息継ぎをしようと少しだけ口を開ければ舌がねじりこまれる





流石に息が続かなくて薄っぺらい胸板をとんとんと小さく叩くと名残押しそうに離れてくれた




「やっぱ息継ぎへただねぇ」





笑いながら言われたのが悔しくて下を向けば




「そういうところも可愛くてすきだよ」


顎をつかまれ、上を向かされれば再びキスの雨


『ちょ、と…ま…って、、ぇ…』

「むり、またない」









数秒だったか、数分だったか、唇が離れるまでの時間が凄く長く感じた






ぽ〜っとする私にぎゅっと抱きついてきた彼は本当に犬みたいだった


可愛いなぁなんて思っていたら

耳元で



「あのさ、俺、我慢できないや」


そう言うのと服の中に手が滑り込んで来たのは同時だった




犬じゃなくて狼かもしれない







まだまだ夜ははじまったばかり

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