すきなひと (ページ37)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:26,843 hit

37 ページ37

.

翌朝気分もなかなか乗らないまま大学へ
最寄り駅について大学まで歩こうとした時

｢A～！｣

名前を呼ばれたことに驚きながらも
声のする方に振り返る

『えっ、、』

なんで、いるの。

｢おはよ～A！
なんか久しぶりだな。｣

そこにはスーツ姿の謙ちゃんがいた。

『...おはよ。
久しぶり、だね。』

驚きで言葉も詰まるし
なにより今一番会いたくなかったのに
なんで、会っちゃうんだろう。

｢なんか元気なくない？｣

、、謙ちゃんのせいだよ。

って言えるわけもなく

『そんなことないよ。
遅刻しちゃうから行くね。』

少しでも早くこの場から去りたくて
言ったそばから足を踏み出した＿＿＿＿

それなのに

｢A？やっぱなんかあったろ？｣

そんな言葉で足を止める

『＿＿＿＿ないよ、別に。』

｢隠し事するなよ。

今日、仕事終わったら連絡するから
会お、な？｣

ダメと言わせないようになのか
じゃあと言って謙ちゃんが先に行ってしまった。

『なんでこうなるの、、』

そんな声なんて誰に届くはずもなく
そのまま大学へ向かった。

.

あれからドタキャンしようと考えたものの
やっぱり私は謙ちゃんに甘いんだと痛感する。

『来ちゃったなあ。』

あれから連絡がきて仕事がちょっと長くなるからと
先にお店に行くように言われたところ

とりあえず飲み物だけ頼んで待つことにした。

.

｢ごめん、遅くなった。｣

『大丈夫だよ、お疲れ様。』

昨日あれだけ2人でいるのは良くないと思ったのに
どうして今ここにいるんだろう。

やっぱりここにいちゃダメだよね。

謙ちゃんが来たことで急に思い立ってしまって

『謙ちゃん、やっぱり私帰るね。』

｢は？何言ってんの？｣

『やっぱり私たちもう会っちゃダメなんだよ。』

｢は、どういうことだよ。｣

『だって謙ちゃん彼女さんいるでしょ？
ダメだって、誤解されるから。
良くないよこういうの＿＿＿＿』

自分で言ってるのに涙が出てくる

もういいんだ。

感情任せに言ってしまったけど
これが本当で、言いたくなかったけど
伝えなきゃわからないもんね。

これで良かったんだよね。

.