すきなひと (ページ25)

今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:26,849 hit

25 ページ25

.

言われた通りスマホを見ると
履歴の一番上にあるAlanの文字

『ほんとに出たんだ、、』

とりあえずかけ直さないと！
でも顕嵐くんに自分から電話かけるなんて
思うと急に緊張してくる...

どうしようか数分悩んで
思い切って通話ボタンを押す

.

「...もしもし」

いつも聞くより少しトーンの落ち着いた
声に聞こえるのは電話越しだからかな。

『顕嵐くん、あの、電話「Aちゃん！
よかった～出てくれて。」

『ごめんね？さっきちょっと色々あって
違う人出たよね。

気にしなくていいから！ほんとにごめんね！』

「大丈夫だよ、ちょっとびっくりしたけどね。」

『ほんとごめんね。
それで、何か用事とかあったんだよね？』

「あー用事ってかさ、」

そこから少し間が空いた
先が気になって言葉を遮らないように聞いてると

「Aちゃんの声聴きたくなって。」

それは思わぬことで
びっくりしすぎて言葉が出ない

「でも忙しかったよね。
ごめん、忘れて。」

『待って！！』

このまま電話を切られそうな雰囲気も感じて
考えるより先に言葉が先行していた。

『別に忙しいとかじゃないし
さっきのはほんとたまたまなっちゃったっていうか。
私は顕嵐くんから電話もらえただけで嬉しかったよ。』

きっと顕嵐くんは謙ちゃんのことを気にしているし
どんな用件でも電話をもらえたことが嬉しかった。
そのことが伝わればいいなと思って

「そっか、ありがと。

そしたらさ、また今みたいに電話してもいい？」

『うん！待ってるね。』

「ありがと、じゃあまた大学で。

おやすみAちゃん。」

『うん、おやすみなさい顕嵐くん。』

.

また大学でって言われたことも
また大学で会ってくれるんだって
最近当たり前なのに言葉にされるとなんだか嬉しくて

それに電話をまたかけてくれるってことも
何故そうしてくれるのかは分からないけど
とても嬉しかった。

また明日も電話くれないかな。

いつの間にかそんなことを思いながら目を閉じた

.