すきなひと (ページ14)

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集まるのも遅かったから
カフェから出たらそのまま帰ることに

「Aちゃん家どっち？」

『私は向こうだよ！

顕嵐くんは？』

俺はあっち。って私とは逆方向を指す

『じゃあここでバイバイだね！

今日は誘ってくれてありがとう！』

そう言って帰ろうとした時
あの時と同じように右腕を掴まれた

「待って、送っていくから。」

ちょっとびっくりしたけど

『まだ明るいし大丈夫だよ？』

「でも心配だから。

それに今日は俺から誘ったし。」

じゃあ帰ろ？って
手も握られたまま歩き始めた。

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しばらく歩くと自分の家の近くまで来て
1人で歩くより顕嵐くんと話してると
早く感じるなあと少し寂しく感じた。

『私の家ここなの。

送ってくれてありがとう！』

「そっか、俺こそ今日来てくれてありがとう。

また誘っていい？」

『もちろん！私で良ければ。』

じゃあ。って別れる時に

「A～！」

そんな声が確かに聞こえた。

呼ばれた方を振り向くと

『……謙ちゃん。』

何故かそこには
謙ちゃんの姿があった。

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