サヨナラ初恋

33.考えるだけで ページ33

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考えるだけで涙が出るんです。


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照との事、照には好きな子がいる事、私の気持ちが叶わない事。
全部、正直に話した。言葉が詰まって泣きそうになったらセンパイは背中を摩ってくれた。優しいその手つきにまた涙が誘われる。

話終わる頃には私の顔はぐちゃぐちゃで。

「…なんで、私じゃダメなんだろ…っ…て。」



誰にも言えない本当の気持ち。

なんで、なんで、
あの子じゃなくて私じゃダメなの？あの子よりも私の方が照の事知ってるもん。

…なんで。

なんで、照じゃなきゃダメなんだろう。



「そっか、辛いな。好きな奴と同じ気持ちになれるのってスゲェくさいこと言うとさ運命みたいなモンだよな」
「…センパイは辛くないんですか…？」
「うーん。ずっと追いかけてる時は今のAちゃんみたいになんで、俺じゃダメなんだろうって思ってた」

「でも、アイツに好きだって言えてなくてさ、俺。だから最後の足掻きだよな。好きって言ったの。」

「そうなんですね、」

「ぶっちゃけ叶うだなんて思ってなかったからさ、ごめんって言われて…でもアイツありがとうって。」

背中を摩ってくれてた暖かいセンパイの手が私の濡れた頬を手の甲で拭った。

私は真っ直ぐ、センパイを見つめる。



センパイがあまりにも優しい顔をするから目が逸らせなくて、
ゆっくり私に近付いてきて撫でてた手が私の髪を掬って、

あぁ、このまま…センパイにキスされるのかな？

なんて他人事で。私はゆっくり目を閉じた。


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