サヨナラ初恋

31.そんなつもり ページ31

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Aちゃんの事襲おうだなんてそんなつもりないから安心してよ。


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部屋に戻ってきた翔太センパイは部屋着に着替えていて、私が変に緊張しているのを分かったのか笑いながらそう言ってソファに座らずラグに腰掛けた。

ソファに座っている私はセンパイを見下ろす形になる。



「あ、ちょっと待って飲みもん持ってくる。何がいい？」
「なんでも、大丈夫です」

キッチンに向かいながらなんかあったっけなーなんて私の緊張なんてお構い無しに呑気なセンパイ。
センパイはなんの意図があって私を部屋へと招いたのだろう。
…恋愛経験値ゼロの私には全く分からない。


直ぐにセンパイは戻ってきてコトン、とテーブルにミネラルウォーターのペットボトルを置いた。

「ごめん、こんなのしか無かった」
「いえ…ありがとうございます。」

「で？Aちゃんは泣き腫らした目をしてこの世の終わりみたいな顔をして、どーした？」

ミネラルウォーターを一口飲んで私を見た。




「…なにも、無いです。」

正直、何をどう説明したらいいか分からなかったし、そもそもセンパイに言う事なのかも分からない。

「…うーん。じゃあ言い方変えてい？」

ペットボトルを置いて、そのまま立ち上がって私の隣にポスンと軽く座った。
その振動で身体が少し揺れる。




「Aちゃんはどんな辛い恋をしてんの？」

眉毛を下げて困ったように笑うセンパイと目が合って。何故か私が苦しくなった。


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