サヨナラ初恋

30.この手の理由は？ ページ30

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再度、繋がれた手の理由はなんだろう。


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どこに向かってるのか分からないので繋がれた手に引っ張られながらついて行くだけの私。
翔太センパイは何も話さなかった。

あれよあれよと電車に乗せられていつも降りない駅で降ろされて。
それでも、手は繋がれたままで。
改札で手が離れたと思ったらまた繋がれて。

駅から出て歩いて10分ほどだったセンパイが足を止めたのは二階建てのアパートだった。




「あの、」
「俺の家」
「え？」

階段を登って1番突き当たりの202と書かれている部屋。センパイは制服のポケットからキーケースを取り出して鍵穴に鍵を挿して回した。

手がやっと離れて、ドアを開けられて入ってと催促される。

「あ、あぁ！お邪魔しますっ！！」
「アハハっそんな勢いで言う奴初めて見た」
「だってセンパイが急かすから」

初めて入るセンパイのお家は綺麗でいい匂いがした。

「あ、そこのドア開けてそこリビング」

センパイに言われドアを開けたらシンプルで整頓された部屋が広がった。




ソファに座らされてカバン適当に置いてって言われて。センパイはどこかへ消えてしまった。
ぐるり、と見渡すとドラマで見たような男の人の一人暮らしの部屋。

…あれ？センパイって一人暮らし…？

そこでようやく私の今立たされている立場に緊張が高まった。


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