サヨナラ初恋

25.こんな時に限って ページ25

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会いたくない人に会ってしまう。


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俯きながら早足で保健室に向かう。照の顔を見れる自信がなかった。普通に接せる自信がなかった。

「……いてっ」
「あっ」

角を曲がった瞬間だった、思いっ切り人にぶつかってしまって。

「ごめんなさいっ」
「こちらこそ、ちゃんと見てなく、て」

顔を上げたら…ユイナちゃんだった。ぶつかってきた私に少しビックリして大丈夫？って優しく声を掛けてきてくれる。女の私でも可愛いなと思う。申し訳なさそうに、怪我とかしてない？って。




「…大丈夫。ごめん。」

惨めな気持ちになった。涙ぐみそうになり唇を噛みしめる。

「そっか、それなら良かった！」

安心したようにパッと笑顔になりじゃあ、と言ってそのまま私の横を通り過ぎてった。
女の子らしい匂いが一瞬して何となくその後ろ姿を見れば私よりも少し長いスカートに綺麗な髪の毛を靡かせて歩いてた。

…勝てる訳なんかないんだよ。

そうどこからか聞こえてきた気がした。




もし、私もあの子のような見た目で幼なじみじゃなくて、
ただのクラスメイトだったら照は私を好きになってくれたのかな？

立ってるのさえ辛くなってきた。

やっぱり学校、休めば良かったかなぁ。私は今まで通りの私に戻れるのかなぁ。



…幼なじみに、戻れるのかな。


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