サヨナラ初恋

19.スカートは短い方が ページ19

.


スカートは短い方が可愛いに決まってる。


.


翔太センパイに校門で待っててってメッセージをもらって私は面倒くさそうに悪い顔で笑うアイに手を振って校門に向かう。




「Aちゃん。」

下校する生徒を意味もなくボーッと見ていたら名前を呼ばれた。

「あ、翔太センパイ。」
「ごめん。待った？」
「いいえ、さっき来たとこなので全然待ってないです！って可愛く言いたいとこなんですが」
「え？」
「ちょーーー寒かったです。」

一瞬、キョトンとした顔をした翔太センパイだけれど直ぐに特徴的な笑い声で笑った。

「そんな短ぇスカートしてっからだよ」
「スカートは短い方が可愛いんですぅ〜。」
「確かにそれは俺も思う」

二人でくだらねぇーって笑いあって学校を後にする。





てっきり真っ直ぐ帰ると思っていたら駅前のファーストフード点を指差して翔太センパイがポテト食わね？なんて言うから食べ物にまんまと釣られた私は素直に首を縦に振った。

「翔太センパイ奢りあざーす」
「思ってねぇだろ」
「思ってますって〜。ありがとうございます！翔太センパイ！」
「可愛く言ったから許す」

ふざけ合いながら空いてるテーブルに座った。




「なんか、Aちゃんって男友達みたいなノリで楽しいわ」

トレーに乗っていた揚げたてのポテトは無くなって飲み物は氷が溶けて薄くなってきた頃、翔太センパイは不意にそんな事を言った。

「あー自分でも分かりますソレ。」
「ん？なんか嫌だった？ゴメン。」

多分私の顔が強ばったのが分かったのだろう。

「だから、意識してなんかもらえないんですよね！」

また、押し殺すように笑った。


.

20.その笑った顔は嫌い→←18.仲良くなるには

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す