サヨナラ初恋

14.あと何回隣に居られる？ ページ14

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あと何回、照の隣を歩けるだろう。


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もう、冬がすぐそこまで来てる匂いがする。すっかり肌寒くなってきた。私は大きめのセーターの袖を引っ張った。

「コンビニ寄らね？」
「いーねぇー。肉まん食べたい」
「ピザまんだろ。」

アイはバイトがあるから私は照の隣を歩く。

お互い約束なんかせずに隣を歩いて家路につく。だって帰る方向も家も隣同士だし。
中学生の頃からタイミングが合えばいつも一緒に帰ってた。それは高校に入っても変わらない。

わざわざ一緒に帰ろう。だなんて言い合った事はない。




スクバをリュックみたいにして私はコンビニで買った肉まんを歩きながら頬張る。
チラリと見れば照もピザまんを食べようとしていた。

私の目線に気がついたのかやんねぇぞ？って言われた。

「私は肉まん派なのでいらないですぅー。」
「アハハ！昔からAって肉まん派だよな」
「ほうはの」
「食いながら喋んなよ」
「ふふふ」

楽しい。私も笑って、照も笑ってる。ずっとずーっとこのままがいい。
あの子と上手くいかなくたっていいし、私も照に好きだって言わなくていい。

…幼なじみのこの関係のままが一番いい。




「そーいえばさ、」
「ん？」

食べ終わった私を見て相変わらずはえぇよって言われて、そのゴミをポケットに突っ込んだ。

「3年の渡辺翔太って知ってる？」
「あーなんとなく」


「ソイツがAの連絡先知りたいって。」
「A、好きじゃんあの先輩。俺は良いと思うけど。」

照が何を言ってるのか分からなかった。


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