サヨナラ初恋

6.息の仕方を忘れそうになった ページ6

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息の仕方を忘れそうになった


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ヒュ、っと喉の奥が小さく鳴った。
そんな事言われたのは産まれて始めてだったから。照が告白された事も知ってるし照に彼女が居たことも全部、全部、知ってる。
でもそれはいつも相手の女の子からだった。
押し負けだった、照は優しいから。女の子を邪険に扱うだなんて出来なくて

でも、結局振られたわ、なんてあの困り眉で笑う照が私の前にいたんだ。

そんな照に何故か私は安心して。

「照に彼女なんてひゃくまんねん早いんだよ！！」

なぁんてふざけてた。



「…好きな人…？え、」
「おう、お前の事だから冷やかすだろーと思って変な態度とった。ごめん。」

「いや…別に。そんな事、ないよ？」

「うん。そうだよな。ごめん。」

照れくさそうに手の甲を口元に持って笑う照にスーッと心の温度が下がっていくのが自分でも分かった。
今までとは違う、と頭の中がぐるぐるとうるさくて。

「そっか、上手くいくといいね。」

自分でもよく分からない。よく分からなくてどうしたらいいか分からなくてどんどん冷たくなる心に恐怖を感じて、無理やり笑顔を作って照の部屋を飛び出した。



バタン！とドアを思いっきり閉めた。
ドアに凭れてズルズルと座り込んでしまった。自分の部屋に戻ってきた瞬間、力が抜けた。

「…くるしい」

思わずTシャツを握りしめて、




苦しくて苦しくて。
私はバカだからその瞬間、照の事が好きだと自覚した。


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