きっと、ずっと、好きだった。 (ページ10)

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１０話ページ10

海「もしもし？」

家に帰ってくるなり、海人は誰かと電話し始めた。

ものすごく笑顔で話していて、すごく楽しそうだ。

彼女かな…なんて呑気に考えながら、お風呂の用意をしていると。

海「大丈夫だって、Aが心配するようなことじゃないよ」

海人の口からAという言葉が出てきて、固まってしまった。

そんな俺に気づかないのか、楽しそうに話している海人。

胸の中に、海人とAが付き合っているんじゃないか、という不安が渦を巻く。

だって、今日海人はあまりにもさりげなくAに話しかけに行っていた。

もしかして……。

１回でも現れた不安は、そう簡単には消えない。

ましてや、目の前で楽しそうに海人が話しているのだから。

俺は胸あたりの服をギュッと握る。

こうでもしないと、自分が壊れてしまいそうで、怖い。

海「じゃあね。うん、バイバイ」

そこまで言って海人は電話を切る。

聞くなら……今しかない。

廉「なぁ、海人」

海「ん？」

廉「Aとどういう関係？」