きっと、ずっと、好きだった。 (ページ5)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:26,879 hit

５話ページ5

俺は神宮寺と机が隣だから、今職員室に行ったら、２人の世界を壊してしまうやろな…。

俺はそう思ったから、とりあえず海人がいる美術室に向かった。

美術室は第１校舎にはない。

渡り廊下を渡って、第２校舎の３階にある。

美術室の前まで行くと、海人はキャンバスに絵を描いていた。

ドアを開ければ、集まる視線。

恥ずかしいわ…。

海「廉！どうしたの？」

わざわざ俺のところまで寄って来てくれる海人。

頬に絵の具が付いていた。

どうやったら、そこに付くんやろ…。

俺は海人の頬に付いた絵の具を落とそうと、指でこすったけど落ちない。

海人はずっと「痛い痛い！」と言っていて。

つい面白くて笑ってしまった。

そうしたら、１人の女子生徒から「ラブラブ～！」と冷やかす声があった。

廉「ラブラブちゃうぞ！」

「いつ付き合うんですか～？」

廉「予定ないわ！」

そんなやりとりをしていた時、一瞬だけ海人が傷ついたような顔をしたのを俺は見逃さなかった。