きっと、ずっと、好きだった。 (ページ14)

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１４話ページ14

海「バカッ！風邪に気づかないなんて！」

ベッドで寝転がっている俺に、海人が怒る。

廉「何で来たんだよ」

ぶっきら棒に、海人の顔を見ずに言う。

何でこんなに胸が苦しいんだろう。

俺はギュッと右手を握りしめる。

海「だって、廉が倒れたって聞いたから」

廉「誰も来て欲しいって言ってないやろ」

その言葉に海人が顔を歪めた。

そりゃそうだ。

助けに来たのに、何でこんなこと言われなきゃいけないんだろうと思っているんだろう。

けど、自分だってこんなこと言いたいわけじゃないのに。

海「そう…だよね。ごめんね。じんには俺から言っておくから」

立ち上がって、俺を見て悲しそうに笑った。

海「…本当は僕が廉のそばにいたかったんだ」

その言葉に、胸を鷲掴みにされたような気がする。

「じゃあね」という海人の声と、カーテンレールの音。

俺はギュッと身体を丸めて、静かに涙を流した。

何故か頭の中には、海人と楽しく過ごしていた思い出が走馬灯のように浮かんできた。