きっと、ずっと、好きだった。 (ページ11)

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１１話ページ11

海人は俺の問いに、頭の上にクエスチョンマークを作った。

廉「だから、Aとどういう関係？」

もう一度言うと、何かを納得したのか「ああ」と笑って俺を見た。

海「教師仲間だよ」

その言葉に俺の何かが切れた気がした。

海人と頬を叩いていた。

海「なん…で」

海人の眼に浮かぶ涙。

廉「嘘なんて最悪最低やな」

絶対に嘘だ、と。

確証もないのにそう決めつけて。

いつの間にか身体が動いていた。

呆然と座り込む海人を横目に、俺は風呂場まで行く。

さっきまで痛かったはずの胸は、いつの間にか痛くなくなり。

海人を叩いた右手が、どうしようもなく痛かった。

廉「ッ…」

俺は右手を抑えて、声を出さずに泣いた。

嘘なんてひどい。

なんで本当の事を言ってくれないんだろう。

言ってくれたら…応援したのに。

本当に？

本当に応援した？

…きっとしない。出来ない。

弟の幸せを祝福できない自分が。

好きな人の幸せを祝福できない自分が。

とてもとても、醜く感じた。