実は俺、結婚してます―KAI― (ページ23)

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チキンページ23

ｼﾞｭｰ

フライパンの上に乗ったチキンをひっくり返す

どうして

どうして私があいつのために料理しなきゃいけないのよ

ソファで横になってテレビを見ているあいつを睨み付ける

早く帰ってくれ

あいつの後ろ姿に念力を送る

「帰れー帰れー帰れー」

「うるさい」

「え」

ゆっくりと起き上がりこちらを睨むキムジョンイン

「さっきからブツブツうるさい

なに？聞こえてないとでも思ったわけ？

お前の声自分で思ってるよりデカいんだよ」

うわあ

恐ろしい目つきですこと

よくそんな目をする方がアイドルやれてますね

「まだ？」

あ・・・

あいつに睨まれてて

すっかり料理中であること忘れてたわ

「やっば」

チキン

焦げた

チラリとあいつの様子を伺う

眉間にシワ寄せてる

「やばいって言った？」

「ううん。言ってない」

いや。言いました。言いましたとも。

でもチキン焦がしちゃったﾃﾍ

なんて言ったらあいつに殺されることが確定する

なんせ

あいつは大のチキン好きだから

まだ残ってるチキンあるし大丈夫

もう一度焼こうではないか

残りのチキンは私のだったけど

私は丸焦げのチキンでいいんだ泣

「俺のチキン焦がしたら許さないから」

鋭い睨みをきかせて、元の体制に戻ったあいつ

くっそ

あいつ、本当に腹立つ

この焦がしたチキンをあいつに食わしてやりたいわ

だが、そんなことしたら私の命の保証はないのだ

「うん。黙ってキムジョンイン様のチキンを焼こう」