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(望side)
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クラスのみんなが帰っていて一気に静かになる教室
外からは運動部の声が聞こえて来る
することもなくなって携帯を開けば流星から淳太との放課後デートの写真が送られて来る
ムカつく反面羨ましくもある
いつか先輩の隣に彼氏として居れる日を夢見て机に伏せる
赤「こたき…?」
ガラガラとドアが開く音とともに名前を呼ばれて顔を上げればこちらをみて微笑む先輩
桃『行きましょっか!』
立ち上がりながらそういえば頷いてくれた先輩
夕日に照らされてキラキラ光っとる黒髪を撫でれば先輩の頬が赤くなったような気がする
靴に履き替えて学校を出た頃にはすっかり暗くなってる
ほんまはゆっくり歩いて帰りたいところやけどあんまり暗い中先輩を帰したくなくていつもより足が進むのが早い気がする
桃『…先輩?』
今日あった話をしとったら急に黙ってしもうた先輩
不安に思って声をかけるけど「ごめん、なんでもあらへん」としか帰ってこない
暗いから先輩の表情もよくわからへん
桃『…先輩。俺、なんかしちゃいました?』
赤「え?」
桃『あ、いや、テンション低い気がしたんで…』
赤「そんなこと、あらへんよ…?」
桃『ほんまですか?』
赤「…。あんな。今度の土曜日一緒にでかけへん?」
桃『え?』
想像していたことの斜め上の先輩の言葉にびっくりして固まる
赤「…あかんかな…?」
桃『あかんわけないです!重岡先輩とお出かけしたいです!』
赤「…ありがと。じゃぁ。」
そう言って歩き始めた先輩の後ろ姿をしばらく見つめた後自転車に跨りダッシュで家に帰った
はよ、流星に報告せな!!!
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作者名:ふぉん | 作成日時:2021年7月31日 21時