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「足痛いだろ。そっち、座って乾かして良い。」
「ありがとう。すぐに乾かすね。」
お腹から、しっかりと声を出した。顔は麻痺したみたいに、重くて上手く動かせないのに、懸命に頬を口角を上げて見せた。
「…ん。」
短く答えたミンソクは、そのまま台所の方へ歩いて行った。
あの日、別れを切り出したソファに腰を掛ける。ドライヤーのスイッチを入れると、周りの音が聞こえなくなった。
ミンソクは台所で洗い物をしている。
「…っ」
少し手が痛くて、一度スイッチを止めて手のひらを見た。通りで痛いわけだ。止まっていた血が静かに滲んでいる。
これをどうしようかと見つめていると、フワッと香った彼の匂い。目の前にミンソクが座った。
「ごめん。怪我のこと忘れてた。
手、貸して。」
「…ありがとう。」
喉の奥が震えて痛い。あぁ、私ったら本当に、どうしようもない。泣く気でいるの？信じられない、お願い止まってよ。
「…っ。」
消毒液がピリッと染みて、その衝動で涙が一粒零れた。
私の跳ねた体に気づいたミンソクから、視線を感じる。
「我慢してな。」
「ん。」
頷いたら溢れそうで、彼に顔を見られないように下を向いて短く答えた。
「随分豪快に転んだなぁ。」
「…自分でもビックリした。」
「見つけたのが俺たちで良かった。」
絆創膏の上からガーゼを貼ってくれる。グルンとテープを回したミンソクから、「よしっ」と小さな呟きが聞こえた。その後、少しの沈黙。
「今年は、大丈夫そうだな。」
「…え？」
「蕁麻疹。出てない。」
そこには、優しく微笑むミンソクがいた。
頭がぼぅっとする。頬に生温い感覚。
私は、自分を塗り固めていた物がパラパラと音を立て、剥がれ落ち当ていくのを静かに感じていた。
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ギョンスくん(プロフ) - 初めまして、、拝見いたしました、とてもいい作品に出会えたなと嬉しく思うのですが、少し疑問がございまして、、鈴の音がする後輩ちゃんとどうゆう関係だったのだろうかと思うと居ても立っても居られなくえコメントさせていただきました、、(>_<) (2018年7月6日 23時) (
レス) id: 56dfa01b28 (このIDを非表示/違反報告)
かのか(プロフ) - もう！何て言ったらいいのやら。表現が素晴らしすぎる！作文さえもダメダメな私には感想さえもうまく言えないけど。素敵なお話有り難う！こんなしうちゃん、欲しい。 (2015年6月29日 0時) (レス) id: 171b30f749 (このIDを非表示/違反報告)
るー(プロフ) - 初めまして、凄く素敵なお話でした。小説を読んで泣いたのは初めてです。ほんとに素敵なお話をありがとうございます (2015年5月23日 0時) (レス) id: 54f11cc9aa (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - なんだかすごいミンソクっぽいお話で世界感とても気に入りました。他の作品も読んでみます！ (2015年5月9日 23時) (レス) id: 5ca9847b63 (このIDを非表示/違反報告)
rurarura(プロフ) - 始めまして、とてもグッとくるお話でした。もうすっかり感情移入してしまって胸が苦しくなりながらも最後のしうちゃんに全て持って行かれました…いいお話ありがとうございました^ ^ (2015年5月6日 13時) (レス) id: a13f1528f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Naeun.
| 作成日時：2015年4月29日 13時
