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「ミンソク先輩、お知り合いですか？」
「あぁ、まぁ...」
下を向く私の頭上で2人の声が行き交う。この状況が理解できなくて、でもほんの少し嬉しいと思ってしまう私は、相当頭が痛い女だ。
彼女が私の荷物をせっせと拾っていく。綺麗な手をしている子だと思った。それに反して、土と雨にまみれた自分が恥ずかしくて、砂を噛んだような感覚が走る。
「ありがとうございます。大丈夫、ですよ。拾えます。」
身体を起こす時に手首にピリッと痛みが走った。あぁ、結構な重症かもしれない。
「あぁ！いいんです。動かれると痛いと思います...。血も出ているし。」
今の私には彼女の思いやりさえも、胸に深く突き刺さった。自分の優しさを彼に、ミンソクに見せつけているのだろうか。こんなこと思いたくないのに、そんなドロッとした抑えようのない気持ちが腹の奥で蠢いていた。
私に傘を差しているミンソクは、何も言わずに立っていた。顔を上げたらどんな表情を向けられるのか、怖くて、地面を見つめることしか出来ない。小さな咳払いが聞こえた。言葉を発しようとしてることを感じ取って、皮膚の上がビリビリと痺れる。
「ごめん。こいつタクシーに乗せて帰らす。
だから遅い時間だけど、送れなくてごめん、。」
ミンソクは彼女から私の鞄を受け取って、ただいつもと変わらずにそう言った。彼女に向けられた声色が柔らかくて、それが小さい傷みたいに私に刺さった。
彼女の顔を見上げる。その瞳には、一瞬悲しさが浮かんだ。付き合っては、いないのだろうか。でもすぐに分かった。
彼女がミンソクに、恋をしていることが。
「全然！私は大丈夫です。お大事になさって下さいね。」
「本当にごめんなさい。ありがとうございました。」
笑顔が辛そうだ。去っていく背中は、もっと寂しかった。あの女に声をかけなければ良かったと、そう思っているのかもしれない。
華やかな彼女が消えて、空気がグッと重くなった。傘に当たる雨の音が鼓膜を支配して、心臓が突然音を上げて加速をした。
そうだ、この人と私はこんな風に再会してはいけない間柄だったと、その時やっと気付いたのだった。
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ギョンスくん(プロフ) - 初めまして、、拝見いたしました、とてもいい作品に出会えたなと嬉しく思うのですが、少し疑問がございまして、、鈴の音がする後輩ちゃんとどうゆう関係だったのだろうかと思うと居ても立っても居られなくえコメントさせていただきました、、(>_<) (2018年7月6日 23時) (
レス) id: 56dfa01b28 (このIDを非表示/違反報告)
かのか(プロフ) - もう！何て言ったらいいのやら。表現が素晴らしすぎる！作文さえもダメダメな私には感想さえもうまく言えないけど。素敵なお話有り難う！こんなしうちゃん、欲しい。 (2015年6月29日 0時) (レス) id: 171b30f749 (このIDを非表示/違反報告)
るー(プロフ) - 初めまして、凄く素敵なお話でした。小説を読んで泣いたのは初めてです。ほんとに素敵なお話をありがとうございます (2015年5月23日 0時) (レス) id: 54f11cc9aa (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - なんだかすごいミンソクっぽいお話で世界感とても気に入りました。他の作品も読んでみます！ (2015年5月9日 23時) (レス) id: 5ca9847b63 (このIDを非表示/違反報告)
rurarura(プロフ) - 始めまして、とてもグッとくるお話でした。もうすっかり感情移入してしまって胸が苦しくなりながらも最後のしうちゃんに全て持って行かれました…いいお話ありがとうございました^ ^ (2015年5月6日 13時) (レス) id: a13f1528f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Naeun.
| 作成日時：2015年4月29日 13時
