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「ごめん、なさい、
別れて、っ欲しい。」
嗚咽と共に溢れた。自分でも驚いた。脳が判断する前、心が叫んだのだと思う。
止まった彼の手は、宙を泳いでそのまま自分の目元を覆った。
「…あぁ、やっぱり、
っ…勝てなかったかぁ。」
ひとつの大切な気持ちが、私によって潰れる音がした。彼は何一つだって悪くない。素敵な人だ。私にはもったいないくらいに。
周りの友人に聞いたら、みんながみんな彼を勧めるだろう。馬鹿じゃないの？こんな素敵な人いないよって
だって私だって、そう思うから。
「ごめんなさい。
…ありがとう。」
目元を覆って俯く彼に、そう告げた。
暫く経ってから頷いた彼を見て、バックに手をかけるとそのまま立ち上がった。
玄関に進んでいく脚には力がしっかりと入らなくてふらつく。
「Aっ。」
靴を履いて立ち上がった時、腕を引かれて、そのまま後ろから抱き締められた。全身がスッポリと包まれる。
「愛してたよ。
でも俺には気づいてやれなかった。
Aは、何も悪くない。」
熱いものが込み上がる。私は、こんなにも最低な人間なのに。あなたは、ひとつだって悪くない。
「これからは俺みたいなやつに、引っかかるなよ。」
違う！ そう言おうと思って振り向いた私の唇に、もう一度彼の唇が重なった。
「…Aは、魅力的だよ。」
「チャ、ニョル…。」
背中をトンッと押されて、そのまま外に出た。後ろで扉が閉まる。
気持ちを追いかけるように、また涙が溢れてきた。
ミンソクとは正反対の彼の明るい笑顔が好きだった。
大切にしてくれるのが痛いほどに伝わるから。
涙を拭って、大きく一歩踏み出した。
もう誰も私の手を引いて、抱きしめて支えてくれる人はいない。
ミンソクにも、会いに行かない。
まだ、行ってはいけない。
強くなりたい、そう思った。
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ギョンスくん(プロフ) - 初めまして、、拝見いたしました、とてもいい作品に出会えたなと嬉しく思うのですが、少し疑問がございまして、、鈴の音がする後輩ちゃんとどうゆう関係だったのだろうかと思うと居ても立っても居られなくえコメントさせていただきました、、(>_<) (2018年7月6日 23時) (
レス) id: 56dfa01b28 (このIDを非表示/違反報告)
かのか(プロフ) - もう！何て言ったらいいのやら。表現が素晴らしすぎる！作文さえもダメダメな私には感想さえもうまく言えないけど。素敵なお話有り難う！こんなしうちゃん、欲しい。 (2015年6月29日 0時) (レス) id: 171b30f749 (このIDを非表示/違反報告)
るー(プロフ) - 初めまして、凄く素敵なお話でした。小説を読んで泣いたのは初めてです。ほんとに素敵なお話をありがとうございます (2015年5月23日 0時) (レス) id: 54f11cc9aa (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - なんだかすごいミンソクっぽいお話で世界感とても気に入りました。他の作品も読んでみます！ (2015年5月9日 23時) (レス) id: 5ca9847b63 (このIDを非表示/違反報告)
rurarura(プロフ) - 始めまして、とてもグッとくるお話でした。もうすっかり感情移入してしまって胸が苦しくなりながらも最後のしうちゃんに全て持って行かれました…いいお話ありがとうございました^ ^ (2015年5月6日 13時) (レス) id: a13f1528f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Naeun.
| 作成日時：2015年4月29日 13時
