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気を取り直して温まった卵を口に運ぶと
また感じる視線。
顔を上げると
またそらされたけど
注意深く見るとCAの口角が少し上がってる。
…
なにこれ、なんかのゲーム？
やんちゃ系キャビンボーイと目を合わせちゃだめゲーム？
私を見てくる周期はだいたい予想がついた。
さりげなくスクリーンに視線をずらし、チャンスを窺う。
よーし、いち、に…
バチリ。
CAはちょっぴり目を丸くした後
ニヤリと笑ったかと思うと
とびきりのウィンクをされた。
ほんとに、一体なんなんだろう…汗
そこへ入る機長のアナウンス。
「乗客の皆様、おはようございます。当機は二時間ほどで目的地に到着いたします…こらっチャニョル！…失礼いたしました、…」
「悪かったって！」と副機長のものと思われる低い声がアナウンスに入り込む。
この飛行機、大丈夫かな…
★
「乗客の皆様、当機はもうまもなく目的地のロサンゼルス国際空港に着陸するために下降を開始します…」
あ、もうそろそろか。
トイレ行きたいんだけどなーどうしよっかな。
「と、その前に」
機長のゴホン、という咳払い。
後ろから副機長の「やったれ！」という声も聞こえる。
…なんだろう？
「準備はいい？これからお前の声は機内全体に流されるよ」
【はい、ヒョンありがとう。皆様おはようございます】
突然割り込んできた第3の声。
聞いた瞬間、頭のてっぺんからつま先まで痺れたようになった。
うそ、なんで。
【私はロサンゼルス国際空港からお話させていただいている航空管制官です。仁川発のこのフライトで皆様が快適にお過ごしになられていれば幸いでございます。そしてようこそロサンゼルスへ】
【今、私が皆様にお話させていただいている理由は、このフライトに私にとってとても特別な女性が搭乗しているからです】
ざわめく機内。
でも私はそれどころじゃない。
この声は…ギョンスの声だ。
【A、聞こえてる？どうか、みんなから見えるように手を高く挙げてもらえますか？】
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作者名：MIKA
| 作成日時：2017年4月12日 0時
