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「やだ」
拗ねた子どもみたいな返事をこぼした唇がわたしのそれに軽く触れた
少しだけ顔が離れてこつんと額があたる
『ふふ、』
「何笑ってるんですか」
『いえ、何でも』
「･･･やっぱり笑ってる方が好きです」
「私のことを利用してでもいいから、一人で泣かないで。強がらなくていいんですよ、」
『･･･はい、』
「寂しい時は寂しいって言ってください、辛い時もどんな時もあなたの味方でいさせて」
加賀美さんの言葉があまりにも優しくてまた涙が溢れてくる
「あんまり泣くと腫れちゃいますよ」
『ぅ、、か、加賀美さんの言葉が嬉しくて･･･ 』
「･･････ 峯邑さん」
『はい、』
「好きです」
『っ、』
「あなたのことが好き」
『わたしも･･････好きです、加賀美さんのこと』
ポツリとそう零すと、加賀美さんの頭がこてんとわたしの肩に凭れる
「はぁー･･････ うれしいです･･････」
『そうですね... 夢みたいです』
「夢だったら困るので、確かめてもいいでしょうか」
『確かめるって･･･どうやっ･･･ん、』
顔をあげた加賀美さんがそのまま近づいてきて、また唇が重なる
何かを確かめるように時間を忘れる程、キスを重ねた
・・・・・
『時間、大丈夫ですか？』
「･･････大丈夫じゃなさそうです、そろそろ戻らないと」
『名残惜しそうですね』
「何笑ってるんですか、当たり前ですよ。もう少し一緒にいたかったんですが･･･」
『加賀美さん、』
「はい？」
『ちょっと耳貸してください』
ん？と屈んだ加賀美さんの肩に手を添えて、頬に軽くキスをする
『リハーサル、頑張ってください』
「あぁ〜〜〜〜〜･･･ あなたって人は･･･」
『ふふ、ごめんなさい』
「･･････ほら、戻りましょう」
差し出された手を取って歩き出す。
もう一人じゃない、頼っていいんだ、甘えていいんだ。さっき加賀美さんから貰った言葉を思い返しながら繋がれた手を強く握り返した
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作者名：雨 | 作成日時：2022年9月23日 18時
