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「明日もろふまお塾があるけど今夜のステージが終われば社長もある程度落ち着くと思うから、会えそうだったら連絡してあげて」
『うん、わかった』
「甲斐田に聞いたって社長には内緒ね。ステージはどこで見るの？」
『実は後ろからこっそり見せてもらえることになって』
「あ、機材席かあ、職権濫用だなぁ〜』
『ふふ、秘密にしてね。映像手伝ったからご褒美だって』
「いいなぁ、楽しんでね」
打ち合わせがあるからと晴くんは楽屋の方に戻っていった。
会いたいって言ってたって聞いて、久しぶりに胸が苦しくなるのを感じた。そっか、忙しかったんだなあ。加賀美さんに連絡するタイミングを見計らっていたところだから、明日連絡してみようかな。フェスが終わってゆっくり休めたらあの日のことをちゃんと話したい。
・・・・・
そして、Day2のステージが始まった。
昨日は緊張していて仕事目線だったからちゃんと全体を見れていなかったみたいで、今日はとても新鮮な景色に見えた。ステージに立ってる皆んなもお客さんも楽しそう。準備があったみたいでDay2の出演者には楽屋で会えなかったけどみんなすごくかっこいい。
叶さんと三枝さんの2人が捌けたところで、ステージが一瞬暗くなった。イントロが始まると映像を背景にすらっとした立ち姿が浮かび上がる。
(加賀美さん･･････)
歌いはじめたその声が、表情が、あまりにも優しくて釘付けになる。
紡がれる言葉がひとつずつ、いつの間にか出来た心の傷に沁みて、じんわり温かくなっていく。
"悲しいこと苦しいこと眠れない夜に襲われても"
絶対に違うってわかってるのに、
『うん、わかった』
「甲斐田に聞いたって社長には内緒ね。ステージはどこで見るの？」
『実は後ろからこっそり見せてもらえることになって』
「あ、機材席かあ、職権濫用だなぁ〜』
『ふふ、秘密にしてね。映像手伝ったからご褒美だって』
「いいなぁ、楽しんでね」
打ち合わせがあるからと晴くんは楽屋の方に戻っていった。
会いたいって言ってたって聞いて、久しぶりに胸が苦しくなるのを感じた。そっか、忙しかったんだなあ。加賀美さんに連絡するタイミングを見計らっていたところだから、明日連絡してみようかな。フェスが終わってゆっくり休めたらあの日のことをちゃんと話したい。
・・・・・
そして、Day2のステージが始まった。
昨日は緊張していて仕事目線だったからちゃんと全体を見れていなかったみたいで、今日はとても新鮮な景色に見えた。ステージに立ってる皆んなもお客さんも楽しそう。準備があったみたいでDay2の出演者には楽屋で会えなかったけどみんなすごくかっこいい。
叶さんと三枝さんの2人が捌けたところで、ステージが一瞬暗くなった。イントロが始まると映像を背景にすらっとした立ち姿が浮かび上がる。
(加賀美さん･･････)
歌いはじめたその声が、表情が、あまりにも優しくて釘付けになる。
紡がれる言葉がひとつずつ、いつの間にか出来た心の傷に沁みて、じんわり温かくなっていく。
"悲しいこと苦しいこと眠れない夜に襲われても"
絶対に違うってわかってるのに、
まるで自分のためにあるような歌詞に
歌うのが楽しいと笑う姿に、ついに涙が止まらなくなった。
"あなたと出会えた奇跡だよ"
『っふ、･･･ぅう』
今までの辛かった日々も、寂しかった夜も
苦しかったことも、悲しかったことも
全部あなたと出会うためにあったのだとしたら。
"この当たり前が続きますように"
どんな瞬間もとても愛おしく思えた。
歌うのが楽しいと笑う姿に、ついに涙が止まらなくなった。
"あなたと出会えた奇跡だよ"
『っふ、･･･ぅう』
今までの辛かった日々も、寂しかった夜も
苦しかったことも、悲しかったことも
全部あなたと出会うためにあったのだとしたら。
"この当たり前が続きますように"
どんな瞬間もとても愛おしく思えた。
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作者名：雨 | 作成日時：2022年9月23日 18時
