奪ったる ページ45
＊
お参りして、神社をウロウロしてると…
章ちゃんが、いた。
髪……切ってる。
ジャンパーも、知らないやつ。
章ちゃんの、知らないことなんて、なかったのに。
髪を切ったら、一番に見せてくれたのに。
服を買ったら、一番に見せてくれたのに。
章ちゃんは、私に気付かず、友達と焚き火の側で笑ってた。
「A？ おみくじ引く？」
『…うぅん、いい』
“もう、帰ろ”って、亮ちゃんの服の袖を引いた。
「ん」
人の多い神社で、亮ちゃんは私の手を引いて出口に向かった。
神社を出ると、亮ちゃんは、急に振り返った。
あ、、
この顔、知ってる。
男の子の、亮ちゃんだ。
「…A、」
『 …… 』
「俺、言うたよな？
章ちゃんがおまえんこと幸せに出来へんなら、奪ったるって」
『……うん』
「おまえ、今、幸せ？」
『……わかんない、、』
「わかんないなら、俺がお前んこと幸せにしたる。やから、もっかい俺と付き合って」
亮ちゃんの顔は、真剣で。
亮ちゃんは、今日これを言うために、緊張してたから無口だったんだって、わかった。
『……ごめんなさい、』
亮ちゃん、ありがとう。
まだ、私のこと、好きでいてくれて。
でも、私が好きなのは、、
「なんで？ 章ちゃんは遠く行ってまうやんかぁ、、おまえんこと置いて、行ってまうねんで？」
『……うん、』
「そんなら、、俺がずっと傍にいたるから……」
『それでも、、Aはまだ、章ちゃんが好きだから』
「………俺、フラれたん？」
『…うん(笑)』
亮ちゃんはしょんぼり眉を下げて、捨てられた子犬みたいな目で見てくる。
『亮ちゃんの気持ち嬉しいよ。ありがとう』
「ほなフんなやっ！」
『だってぇ、、』
亮ちゃんはずんずん歩いていっちゃうから、慌てて追い掛ける。
「……ほな友達っ」
突然立ち止まるから、亮ちゃんの背中にぶつかる。
「それなら、ええやろ？」
『……うん、』
「また、メシ食いに行ってい？」
『うん(笑)』
「学校でも、一緒におってええ？」
『うん、』
「……勝手に、好きでおってもええ？」
『…亮ちゃ、、』
「人の気持ちは自由やろ。
俺はお前が好きやから。お前が俺を好きやなくても、好きやから」
『……なんで…？』
「わからん、、
好きやから。それだけ」
『…亮ちゃ…』
「泣くなっ！ ちゅーすんぞっ」
＊
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すたば娘。(プロフ) - 亜季さん» 亜季さん、コメントありがとうございます！！章ちゃんside…！それは考えもしなかったです…！(笑)なるほど！そうやって章ちゃんを出す手がありますね…！いきなり２年後はやはり不自然ですかね、、適度に挟みます(笑)家族話は番外編にします！！ (2017年9月18日 13時) (
レス) id: f15bce3ba4 (このIDを非表示/違反報告)
亜季(プロフ) - 家族のお話は、番外編でも本編でもどちらも読みますが、やっぱり章ちゃんの出番が少ないのはさみしいです。でも２年後に飛んじゃったら、それはそれで２年間の事が気になってしまうし。時々章ちゃんsideを書いてもらえたら、さみしくならずに読めるかもしれません。 (2017年9月18日 0時) (レス) id: 327514e65b (このIDを非表示/違反報告)
すたば娘。(プロフ) - yukiさん» そうなんですよ！！章ちゃんの夢は応援したいけど、離れたくなくて、、主人公ちゃんもどうしたらいいのかわからないんだと思います(←)章ちゃんも今は自分のことでいっぱいいっぱいなのかなぁ、、辛い展開ですいません(。>д<) (2017年9月17日 15時) (レス) id: f15bce3ba4 (このIDを非表示/違反報告)
yuki(プロフ) - 主人公ちゃんの気持ちも分かるなあ(>_<)やっぱずっと一緒にいて、2年間離れるとか怖いですよね！そりゃあ行かないでとか言いたくなりますよ！←あと、離れる練習とか辛いですね。章ちゃーん、早く助けにきて← (2017年9月16日 19時) (レス) id: f5b799cd8c (このIDを非表示/違反報告)
てんてん(プロフ) - すたば娘。さん» ありがとうございます！見た時なんじゃこれ！！ってなりました笑 (2017年9月16日 9時) (レス) id: df40b804f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すたば娘。
| 作成日時：2017年9月4日 0時
