東海物語。3

■プロポーズ大作戦。橙ver.4 ページ5

Aちゃん家に向かう途中、元カノから何回もLINEやら電話やらが来てたけど、もちろん全部無視。

…というわけにもいかなくなってしまった。

りょうから電話。

り『てつや今どこ？』

て「Aちゃん家向かっとるけど」

り『お前の元カノ。来てるよ。』

て「は？」

り『連絡しても返事ないから来ちゃったとか言ってる』

て「いや帰して」

り『そうしようとしてるけど全然帰らんし、この家の状況見てなんか色々思ったのかわからんけど、てつやはわたしのだとかなんとか言い出してやばいんだけど』

あぁまじか…

元カノとは言え、やってることはストーカーみたいなもんだ。

俺がちゃんと、ケリつけなかんよな。

て「ちょっと待ってて。Aちゃん連れてく」

り『ここに？まずいでしょそれは』

て「…とりあえず行くわ」

急いでAちゃんの家に向かう。
ーーーーーーーーーーーー
てっちゃんとのデート、途中で嘘までついて帰ってきちゃった。

大人気ないのはわかってる。

だけど我慢できなかった。

東海オンエアが炎上してしまう、てっちゃんに迷惑がかかっちゃうこともわかってる。

だけど。

「…彼女って、言ってほしかったよ…」

年上のくせにこんな甘えたこと言ったら迷惑だよね。

あの子、性格は別として、小さくて可愛くて。

一瞬でてっちゃんが好きなタイプだなってわかった。

その時点でなんか負けた気がしたし、若さにはやっぱり勝てないなって。

多分元カノだと思うけど。

「あぁもう最悪の記念日になっちゃった…」

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

玄関のチャイムがなる。

出ると、

「…てっちゃん」

て「…ｯ」ｷﾞｭ

何も言わないで、ぎゅってするてっちゃん。

言いたいことは、わかってる。

きっとてっちゃんも、わたしの気持ちわかってる。

だからこそ、なんだか辛くて。

て「話があって。」

「うん」

て「…俺ん家まで来て欲しい」

「…へ？！、」

来て早々、車へと連れていかれ、そのままてっちゃんの家まで連れていかれる。

「なに、どうしたの？、」

て「さっきの子」

「うん」

て「元カノなんだけど」

「だよね」

て「俺ん家来てて」

「うん…、え？」

て「…なんかわからんけど、俺に用事あるみたいで」

「用事ってか、それって」

て「うんまぁわかってるんだけど」
て「その子の前でちゃんとAちゃんのこと、言わなきゃって思って」

「でも」

て「東海オンエアも大事」

て「でもAちゃんのことはもっと大事」

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