東海物語。3

■産まれる。橙ver. ページ39

て「…なんでこんな時に…」

「まあ仕方ないよ。わたし1人でも、全然頑張れる！」

て「やぁだぁ〜俺が立ち会いたいのに…」

予定日まで、あと3日。

まったく産まれる気配はない。

そしててっちゃんが、東京にイベントのため3日間居ない。

て「パパ帰ってくる前に出てきたらあかんよ〜？泣」

「ねぇ何言ってるの笑」

わたしの大きくなったお腹を触りながら何やらぶつぶつ言っている。

「ほら、もう時間だよ？またみんなに怒られるよ！」

て「うう、行ってくるね…ほんとなんかあったらすぐ連絡してね！すぐ戻ってくるからね！」

「はいはい、行ってらっしゃい」

お約束の、行ってらっしゃいのキス。

て「…へへ、行ってきます」

後ろ髪引かれながらも、てっちゃんはイベントへと向かった。

「…ふぅ、」

あと3日で産まれるんだ。

「…楽しみだねぇ」

お腹を撫でながら、ふふっと1人でにやけてしまう。



先「うーん、まだ開いてないねぇ…」

予定日まで、あと1日ってところなのに、まだ子宮口の開く気配すらないらしく。

先「予定日過ぎちゃったら、促進剤使ってもいいかもね。赤ちゃん結構大きいし、あんま大きくなるとお母さん産むの大変だし笑」

「そんなでかいんですか？」

先「推測だけど現時点で3200ｇはあるね」

「大きいのって良くないんですか…？」

先「いやいや、いいことだよ。お母さんから栄養たっぷりもらってるんだね」

…もしかしたら、ほんとにてっちゃん帰ってくるまでこの子、出てこないんじゃ…笑

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