東海物語。3

■新しい生命。橙ver.4 ページ26

最近、余りみていなかったけど、Twitterというものを見始めた。

わたし自身は更新も何もしてなくて、みんなのを見るためだけに登録した。

…から、良くなかったんだけど、やっぱり「アンチ」ってやつはあるみたいで。

結婚のことを応援してくれる人もいれば、いまだに反対をする人もいて。

見なきゃいいのに、そういうのって気になっちゃうんだよね。。

最近になってわたしのことを調べる人が出てきたらしく、嘘かほんとか色んな情報が飛び交っている。

それは、わたしのところにも。



「…まただ」

今わたしはてっちゃんの家の近くに住んでいる。

そしてここで2人で住み始めた。

引越しが終わり次第、そこを拠点にするつもり。

まだメンバーしか知らないはずの住所に、週に1度、届く。

それも、わたし宛てに。

顔はもちろん名前も公開していないのに、なぜかフルネームで届く。

てっちゃんは基本この家にはいないから、まだこの手紙の存在は知らない。

「…同じ字だ」

今までも3回ほど来ているけれど、全部同じ字形。

手紙の内容も、毎回同じ。

「てつやと別れろ」
「ばばあのくせに」
「てつやはわたしのもの」

そういった内容の手紙。

けれど、てっちゃんには言えなかった。

ただでさえわたしとの結婚、妊娠のこともあるのに、余計な心配をさせたくなかった。

「人気者だもん、仕方ないよね…」

そう自分に言い聞かせた。

けれどやっぱり精神的にダメージは大きかったのか、体調を崩す日々が続いて。



て「ねぇ？」

「…うん？」

て「なにか隠してない？」

「…なにを？」

て「なにか」

「…ないよ、」

て「嘘」

てっちゃんの手には、あの手紙。

「…！なんでそれ」

て「今日たまたまポスト見たら来てた」
て「でもその反応だと、普通の手紙じゃないよね？」

「あ、」

て「他にもきてるよね、きっと」
て「…どこ？」

「…」

て「Aちゃん」

「…」

て「…もっと頼って、俺に」

いつもへらへらしてるてっちゃんが、悲しい顔してる。

「…あそこ」

わたしは隠してある場所を指さした。

てっちゃんはすぐにそこを探して、中身を確認する。

て「…」

「てっちゃん、ごめんねわたし…」

て「…俺のせいだ、ごめん」

てっちゃんが優しくハグしてくる。

て「怖かったよね。」
て「体調もずっと悪かったやん、」
て「…気づけんくてごめん」

段々と抱きしめている腕の力が強くなる。

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