■プロポーズ大作戦。橙ver.2 ページ3
ご飯も終わって少し買い物。
てっちゃんはバレないようにニット帽を深く被ってマスクをしている。
案外バレないもんなんだね。
て「あ、これAちゃん似合いそう」
そう言っててっちゃんが見せてくれたのはピンクの花柄ひらひらミニスカート。
「そ、そんなの三十路が履いてたらイタすぎるよ…」
て「そ?可愛いのに」
てっちゃんが好きなタイプの子には似合いそうだね、なんて、ちょっと意地悪なせりふを思いついちゃったけど、言わないでおこう。
そうだよ、わたしはもうすぐ三十路。
2つ年上ってだけで、やっぱり気にしちゃう。
すれ違う若くて可愛い女の子達に、てっちゃんよりもわたしの方が目がいってしまう。
ああいう子の方が、てっちゃんにはお似合いな気がするなぁ…
あ、ほら、あそこにいる小柄な子なんて、てっちゃんのタイプっぽそう…
なんて思ってると、その子が近づいてきた。
『…てっちゃん?』
て「なにAちゃん…、!」
てっちゃんはわたしが名前を呼んだと思ったのかわたしの方を振り向くが、すぐにそれは違う子が呼んだものだと理解したらしい。
『やっぱり。久しぶり』
わたしが先程、てっちゃんのタイプっぽそう、と思った子が、実際にてっちゃんと話をしている。
わたしもバカじゃない。
それがどういうことなのかはすぐにわかった。
て「あー、久しぶり…」
少し気まずそうにするてっちゃん。
やっぱり。
その女の子はチラッとわたしの方を見る。
『誰?彼女?…なわけないよね』
て「え、あー、と。」
てっちゃんがすぐにわたしのことを彼女と言えない理由、単純に、付き合ってることを世間には公表していないから。
そんなのはわかってるのに、その状況がいざ直面するとやっぱり悲しい。
「わたしがイベント関係の仕事してて、そこで知り合ったの」
わたしはとっさにそう言った。
あながち間違いではないし、「彼女です」とも「彼女じゃないです」とも言ってないし。
『あ、そーなんですか…』
ふーん、と言わんばかりのその態度。
わたしのことを明らかに年上だと知っての態度。
女には女の腹黒さなんて、わかるんだから。
『ねぇてっちゃん』
『連絡先、なんで変えちゃったの?』
『また遊ぼ?教えて』
て「いや、あー、ごめん、俺そういうのもうやめたんよ」
『なんで?』
て「なんでって…」
『彼女いないんでしょ?』
わたしが彼女、って堂々と言えたらいいのに。
なんだか色々な意味で、その子に負けた気がした。
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みらくる(プロフ) - ゆりりんさん» こちらこそリクエストありがとうございました!遅くなってしまいすいません。ただの妄想変態野郎なんです。笑 (2020年4月30日 21時) (レス) id: c03ab64b2c (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 出産のリクエスト答えて下さってありがとうございました!!!こーゆーの書ける人ホントに尊敬します!笑 (2020年4月29日 23時) (レス) id: 3aa826c620 (このIDを非表示/違反報告)
みらくる(プロフ) - ぷーさん» あ、青さん推しの方ですよね??青染でコメントくれましたよね^^??これからもよろしくお願いします! (2020年4月29日 22時) (レス) id: c03ab64b2c (このIDを非表示/違反報告)
ぷー(プロフ) - こんばんは(〃ω〃)青さんの赤ちゃん無事に産まれてよかったです。リクエストありがとうございました。今 ぷーという名前ですが…以前はmomopoohでした。今のみらくるさんのお話も楽しみにしてます。 (2020年4月29日 22時) (レス) id: 0d75314759 (このIDを非表示/違反報告)
すもも(プロフ) - 他の小説にはあまりない出産などリアルな感じでとても面白かったです^_^お疲れ様でした!!他の小説もこれから楽しみにしています。 (2020年4月29日 19時) (レス) id: e3e9a8bac6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みらくる | 作成日時:2020年2月9日 8時