東海物語。3

■新しい生命。緑ver. ページ17

と「A」

「うん？」

と「時間いいの？」

「時間…あぁっ！遅刻だぁ！」

と「急ぐなよ事故るで」

「うんいってきます」

と「あ、待って」

「待てない〜！」

と「」ﾑｽ

あらら、すねおくんになっちゃった。

としみつと結婚して、数ヶ月経つ頃。

特に変わったことも無くて、ずっと仲良しでいる。

としみつのおうちに引越しをしたけれど、仕事場は変えてないため、通勤に1時間程度かかってしまう。

ところでなんでとしみつがすねおくんになったかと言うと、

「…わかったよ、ごめんごめん」

わたしはとしみつの所まで戻り、ちゅ、とキスをする。

と「…あんがと」

「遅刻したらとしみつのせいだからね」

と「寝坊したお前が悪い」

「…ごもっとも、いってきます」

と「気ぃつけてな」

いってきます、いってらっしゃい、おかえり、ただいま、のときは必ずキスをする。

としみつとの約束の1つ。

というよりかは、としみつのご要望。笑

でもこのおかげで、ずっと仲良しでいれてるのかな。

「…いけない、わたしもニヤけてるや」



駅までは歩いて行ける距離。

そこから電車1本で職場の最寄り駅まで行ける。

(よかった間に合ったァ…)

と、いきなりふらっとふらついてしまう。

「わ、」

近くにいた人が 大丈夫ですか？ と声をかけてくれ、なんとか立つことが出来た。

(なんだろ、走ったからかな、)

…年齢には逆らえないなぁ、なんて思いながら、会社までたどり着いた。



〇「Aさん、」

〇「…おーい？」

「え、あ、すいません」

〇「大丈夫？幸せボケかぁ？」

「もーやめてくださいよ」

〇「距離も遠くなったんでしょ？無理しないようにね」

「はは、ありがとうございます」

なんだか少しぼーっとする。

朝はそんなこと無かったんだけど。

「幸せボケ、ねぇ」

…してるかも。



「ただいまぁ、て、今日としみつ撮影夜までだっけ」

仕事を終え帰宅すると、部屋は真っ暗のまま。

としみつもいないし、自分のためだけにご飯作るのもなぁ、なんて思ってると、LINEがきた。

としみつお疲れ。今どこにおる?
Aお疲れ様。今帰宅したとこ。
としみつおかえり。てつやん家来れる?
としみつちょっと早く終わったから、みんなで飯いこうってなってて
としみつAも誘えってうるせーから

「いやいやかぃ笑」

特に用事もないし、と思って、着替えててつやの家へと向かった。

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