in a monotonous cadence (ページ19)

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そしてやっぱりその目は寂しそうにこちらを見つめていてあたしの手を離さないものだからついあたしもできることなら何でもしてあげたくなってしまって
言い訳がましく「仕方ないなあ」とか言っていて

だって一緒に居てあげるだけで気が済むなら居てあげるほかないでしょう？

小声で「おじゃまします」なんて唱えつつやわやわになったヘチャニを背負ってみなさんの寝静まった後の廊下を指示に従って部屋に直行したら
あたしを部屋に押し込むなりヘチャニは急にしゃっきりして

「ぼくもシャワー浴びてくる⋯⋯」
「ぬな眠たかったらベッドで寝ててね」

とか言っていなくなってしまった

あたしは主だけが不在の部屋で急に手持ち無沙汰になってしまってとりあえずオッパに「朝ごはん要らなくなった」とだけメッセージを入れて
それからベッドにもたれて床に座ってなんとなく落ち着かない気をそらすために最近お気に入りのかわいいサモエドの動画を眺めていたら寝落ちしてしまったみたいで

頬に風を感じて目を覚ますと視界は見慣れぬ景色にちょうどほかほかのヘチャニが部屋に戻ってきたところだった

「ぬなまだ居てくれたんですね」
「もしかして寝てた⋯⋯？」

『うんちょっと寝ちゃってたみたい』
『帰って良かったの？』

「うーん実はねぬながほんとにやだったらこのタイミングで帰ってくれるかなって思ってちょっとゆっくりめにシャワー浴びてました⋯⋯」
「だからいまいてくれてほんとうにうれしいです」

ああもうそんな顔して一人にできないでしょってくらい寂しい目をするから

あたしといるときくらいヘチャニを不安にさせている目に見えない重くて巨大な何かがすこしでも小さくなってくれればいいなと思うのにきっとあたしには何もできなくて悲しくなってしまう

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