いくつになっても君が好き。 (ページ25)

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＃25 ページ25

「帰したくない」

そのベッキョンのつぶやきは、聞こえないふりをした。

「もうだいぶ楽になったよ。大丈夫。ありがと」

言えば、ベッキョンの手は離れ、布団から出た私は立ち上がる。

「じゃあ、私戻るね。

ベッキョンも旅行、楽しんでね」

立ち上がった背中に声。

「Aちゃん」

「うん？」

振り返れば、ベッキョンの目は、まっすぐ私を捉えてきて、思わず息を飲んだ。

「…俺、諦めないって、言ったよね」

「…言ったっけ？」

「言ったよ！」

「もう、冗談でしょ？ベッキョン、昔からいつもそうやって私のことからかって」

「からかってなんかない」

「…じゃあ、なおさら、たち悪いよ」

「え…」

「私、彼氏と来てるんだよ。ベッキョンにこんなの言われたら…困る」

「…俺だって、会いたくなかった。知らなかったし

お前が彼氏といるとこ見るの、結構ダメージ大きいんだからな」

「…ごめん」

「謝んなって。なんか、ダセェじゃん」

「…でも本当、ごめん。私、ベッキョンには、応えられない」

「…わかったよ。

でもこれだけお願い」

「何？」

「今日の夜、21時に中庭、来て」

「え、無理だよ」

「お願い！一生のお願い！

ね、友達だろ！」

「ちょっと、なんで今、友達出してくるの？」

「彼氏と俺、どっちが大事なんだよ」

「彼氏」

「むぅ…」

「だからごめんね、じゃあ、ありがとね」

「ちょっと！待ってるからな」

その言葉が終わらないうちに、扉を閉めてベッキョンの部屋を後にした。
行けるわけ、ないじゃんか…

それになんで夜の21時？ミンソクさんと過ごしてるに決まってるじゃん。