★Colors of the season ページ48
それは、天使のように
私のもとに舞い降りた。
巡る季節の中で
気がつけば、いつもそばにいてくれた。
だから、これからもキミと
いくつもの色をまとって
手をつないで…
―Color of the seasons
そんなに…強いわけじゃ、ないんだけどな…
どこにも、誰にも、吐けない、本音。
3年、付き合って来た恋人とも、深いところでは繋がれてなかった。
結局。
「お前は一人でも生きて行けるだろうから」
そんな捨て台詞とともに、彼は、新しい女の元に行った。
自分が二股かけられていたほうだったのかな。
はぁ…
ため息なんて、らしくない。
会社で唯一の避難場所。
地上8階の屋上。
ポケットからタバコを出して、いつものように、火をつけた。
上を向いたら、空からは雪。
あ…もうそんな季節か…
なぜだろう。もう何年も付き合ってきた銘柄なのに
今日に限って、なんだか苦しい。
肺が締め付けられるようになり、思わず咳き込んでうずくまる。
「お姉さん、大丈夫？」
ふわりと上から落ちてくる声。
そう言って、私の指からタバコを取り上げたのは
「天使？」
逆光に透ける、栗色の髪。
そう見紛うほど、美しい顔をした男の子が立っていた。
「タバコ、そんなに吸っちゃ、身体に悪いよ」
そう言って、持っていたバケツに吸い殻を入れた彼。
清掃員か…
大きなグレーのつなぎにキャップを被り、手にはモップを持っていた。
「お姉さん、ここの会社の人？」
「あ、うん。キミは、清掃の人だよね？」
「うん。週に3日、バイトしてるんだ。
お姉さん、よくここにいるよね。
いつも難しい顔して、タバコ吸ってる」
私のマネなのか、眉間に皺を寄せて、タバコを吸うフリをする少年。
「え？見てたの？」
「うん。だって、僕、屋上の担当だから」
「そっか…」
「何か、あったの？」
「え？」
「泣きそうな顔、してる」
「…それはっ、今、咳き込んだから」
「ま、いいけどさ。
誰も見てないんだから、泣いちゃえば？」
「キミ、いるじゃない」
「あ、僕は透明人間だと思って」
仕事仕事、と、忙しなく動き始める彼の仕草がなんだか可笑しくて
さっきまでの鬱屈とした気持ちが、少し晴れた気がした。
あんな男…
こっちから願い下げ。
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miyu(プロフ) - あゆりんさん、ごまねさん！ありがとうございます！！ようやく一話更新できました。ノロノロになっちゃうかもですが、今後とも、どうぞよろしくお願いいたします！ (2015年11月21日 23時) (
レス) id: 812cdb4791 (このIDを非表示/違反報告)
ごまね(プロフ) - 返信ありがとうございます♪楽しみにまってます(^o^) (2015年11月21日 20時) (レス) id: f2598c3f20 (このIDを非表示/違反報告)
あゆりん(プロフ) - そうだったんですか!次の更新楽しみしてます♪頑張ってください(*^^*) (2015年11月21日 20時) (レス) id: 8609184879 (このIDを非表示/違反報告)
miyu(プロフ) - またよかったら、読んでやってくださいませ！ (2015年11月21日 20時) (レス) id: 812cdb4791 (このIDを非表示/違反報告)
miyu(プロフ) - ごまねさん、あゆりんさん、玉ちゃんふぁみりぃさん、みーこさん！このたびは読んでいただき、また、楽しみにしてくださって、本当にありがとうございます！実は、続編がまだ更新できておらず…お待たせしておりすみません>_< 更新でき次第公開します！ (2015年11月21日 20時) (レス) id: 812cdb4791 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：miyu | 作成日時：2015年10月14日 22時
