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「きれい…」
思わず言葉を失った。
そこは、東京タワーを見上げる公園。
折しも季節は春、桜が満開だった。
「だろ」
隣を見上げれば、満面のドヤ顔。
「俺も春に東京来んの初めてだったからさ
一度は見てみたかったのよ。ここの桜」
朱色のタワーと、桃色のソメイヨシノ。
「ね、お腹空かない？」
そして、KYなチェ・ミノ。
本当に腹ぺこっていう顔をした彼に笑ってしまった。
「食べましょうか」
ベンチに座り、道中に買ったベーグルサンドを二人で食べた。
こんな風にのんびり過ごすの、久しぶりだなぁ。
普通に、休日みたいだなぁ。
そんなことを考えていたから、近づくチェ・ミノの顔に気づいてなかった。
「ついてる」
口の端についたパンのくずを手でとって、彼は普通に食べた。
もう…そうゆうこと、やめて欲しい。
勘違い、しそうになる、じゃんか。
「ん？美味しくなかった？」
「…美味しいです」
「じゃあ、なんか怒ってんの？」
「いえ。何も」
「そ…じゃあサッカーしようぜ」
チェ・ミノが傍らのバッグから取り出したのはサッカーボール。
あぁ、あのバッグ…やけに大きな荷物持ってるなと思ったら、それが入っていたのね…
東京タワーをバックに、10mほど離れて、チェ・ミノとボールを蹴り合う。
「サッカー、やってたんですか？」
「…うん。中学校までね。この仕事はじめるときにやめた」
「…でも、今でも、こうやって、やってるんですか？」
「まぁ、触るぐらいだけどね。
親父がクラブチームの監督しててさ、
小さい頃は期待に応えなきゃって、頑張ってたけど…
親としてはさ、それも複雑だったみたい」
「……」
「プロに行けるヤツなんて、ほんの一握りじゃん。
そういう厳しいの、分かってるから。
だからサッカー選手になれとも言われたことないし。
今では、思ってるよ。
この世界に入って、よかったって」
そう言って、口角を上げて私にボールをパスした彼の目元が
どこか寂し気に見えた。
「もう暮れて来たな。帰ろっか」
「…はい」
ボールについた砂を払い、仕舞おうとするチェ・ミノ。
「ボール、長く使ってるものなんですか？」
「あ、うん。子どもの頃からね」
「大事に、してるんですね」
「まぁ、ね」
ってハニカミながら鞄に押し込み、「さ、メシ行くぞ」って、また彼は、私の腕を掴んで歩き出した。
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miyu(プロフ) - あゆりんさん、ごまねさん！ありがとうございます！！ようやく一話更新できました。ノロノロになっちゃうかもですが、今後とも、どうぞよろしくお願いいたします！ (2015年11月21日 23時) (
レス) id: 812cdb4791 (このIDを非表示/違反報告)
ごまね(プロフ) - 返信ありがとうございます♪楽しみにまってます(^o^) (2015年11月21日 20時) (レス) id: f2598c3f20 (このIDを非表示/違反報告)
あゆりん(プロフ) - そうだったんですか!次の更新楽しみしてます♪頑張ってください(*^^*) (2015年11月21日 20時) (レス) id: 8609184879 (このIDを非表示/違反報告)
miyu(プロフ) - またよかったら、読んでやってくださいませ！ (2015年11月21日 20時) (レス) id: 812cdb4791 (このIDを非表示/違反報告)
miyu(プロフ) - ごまねさん、あゆりんさん、玉ちゃんふぁみりぃさん、みーこさん！このたびは読んでいただき、また、楽しみにしてくださって、本当にありがとうございます！実は、続編がまだ更新できておらず…お待たせしておりすみません>_< 更新でき次第公開します！ (2015年11月21日 20時) (レス) id: 812cdb4791 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：miyu | 作成日時：2015年10月14日 22時
